普通の動物病院の診療日記

November, 2010
-
01
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
-
-
-
-
PROFILE
shu

小さな町の動物病院の獣医師です。

MYALBUM
CATEGORY
RECENT
RECENT COMMENTS
RECENT TRACKBACK
ARCHIVES
LINK
SEARCH
PR




Sep 23, 2005
その後のブンタと貧血子ニャン

飼い主さんのいない動物だったブンタが退院してから2ヶ月が過ぎた。

 

ブンタはその後一度も来院していない。

どうしてるかな〜、と思っていた頃、飼ってくれている女性から葉書が届いた。

「先生、スタッフのみなさん、ご無沙汰しております。

その節はたいへんお世話になりました。

ブンタはおかげさまでとても元気にしています。

同居の2匹の猫たちとまったく同様に走り回っています。

高いところに登ったり、飛び降りたり、2匹の猫たちとも大の仲良しです。」

とのことでした。

毎日多くの動物が来院するので、そのすべてを覚えているわけではないけれど、やはり気になる子はいるわけで、こうした葉書はとてもうれしいもの。

 

貧血子ニャンは退院してから1ヶ月。

まだ週に1度は通院している。

8%しかなかったHt値は30%ちょっとを維持している。

240gだった体重もすでに800gになった。

溶血を抑えるための薬も徐々に減らして、そろそろ止めてみようかと思っている。

今のところいい調子である。

 

今日から3,4日、僕が留守にするため更新と書き込みができなくなります。

もしも書き込みをしてくれる方がおられましたら、返事が遅れます。

お許しくださいね。

Sep 21, 2005
問診しにくい飼い主さん その1

動物たちは人間の言葉が話せない。

 

だから食欲があるとか、ないとか、元気はどうですかとか、すべてを飼い主さんから聞かなくてはならない。

 

僕らの仕事、よく「動物相手の仕事」と言われ、場合によっては「いいですよね〜、動物相手だから気楽ですよね、人間関係に悩まなくてもすみますよね。」などと言われることまである。

確かに動物相手には違いないのだが、動物がここが痛いからと言って自分一人で病院に来るわけでもなく、検査や治療の説明を聞いてくれるわけでもない。

あくまで飼い主さんから聞き取り、飼い主さんに説明をするのである。

 

こんな飼い主さんからお話を伺うのはたいへんだ(笑)。

 

「こんにちは、○○ちゃんは今日は嘔吐したんですか。何か変わったものは食べませんでしたか?」

「○○ちゃん、ちぇんちぇいが何か変なものは食べまちぇんでしたか?ですって〜。何にも食べてないでちゅよね〜。」

「・・・、そう、ですか。食欲はありますか?」

「○○ちゃん、食欲はどうでちゅかって。○○ちゃんは今日は何も食べたくないんでちゅよね〜。」

「ちょっと聴診しますね。」

「○○ちゃん、ちぇんちぇいがもしもししてくれまちゅよ〜。はいは〜い、いい子いい子でちゅよ〜。もしもし〜、いい子、いい子〜。」

「・・・。」

血液検査や注射が必要なときでも、

「○○ちゃん、○○ちゃん、痛い、痛い、痛い、怖いでちゅね〜。」と。

 

お気持ちはものすごくわかるし、大切にしておられるのもよくわかる。

でもね〜、ものすごくやりにくいんですよ(笑)。

 

でも、飼い主さん側からすれば、話しにくい獣医師っていうのもいるんだろうな(笑)。

Sep 20, 2005
門脈シャント

生後2ヶ月にも満たない子犬がやって来た。

 

家に来てからまだ2、3週間。

前日までなんともなかったのに、ふらつくようになったとのこと。

小学生の子供さんたちと大いに遊んでいるため、まず、時々トイ種の子犬にみられる低血糖性のふらつきを考える。

 

血液検査をしてみたら、肝酵素値(GPT、GOTなど)が異常に高く、アンモニアも高い。

逆にBUN(尿素窒素)と総蛋白値が低い。

血糖値は正常だった。

 

GPT(ALT)やGOT(AST)は肝細胞に含まれる酵素。

何らかの理由で肝細胞が破壊されたときに細胞内から血液中に流れ出る。

肝酵素値の上昇=肝機能不全ではないけれど、測定不能なほど高くなっているため、肝臓のかなりの部分で肝細胞が壊れており、機能も怪しくなってきているはず。

 

有毒なアンモニアは、腸管内で腸内細菌によって産生されて血管から吸収され肝臓へ運ばれる。

肝臓は様々な働きを持つ巨大工場のようなもので、有害なアンモニアを分解してくれる。

しかし、肝機能不全があると、そのアンモニアを分解することができなくなるのである。

有毒なアンモニアは脳に影響を与え、肝性脳症という神経症状を起こしてしまう。

ふらつきもそうだし、痙攣発作などを起こすこともある。

お話しをよく聞くと、ふらつく以前にも顔がゆらゆら揺れていたり、部屋の壁際を壁に沿って歩いていたそうだ。

これらも神経症状の一つである。

  [続きを読む]
Sep 15, 2005
飼い主さんのいない動物たち

 

1126744271013954.jpg

動物病院には交通事故をはじめ、野生の動物や鳥、捨て猫や野良猫など、たくさんの「飼い主さんのいない動物たち」が運ばれてくる。

 

また、動物を動物病院に捨てていく人も後を絶たない。

 

病院に捨てて行く人はせめて動物病院ならなんとかしてくれると思っておられるのだろう。

 

 

 

 

 

1126744128252409.jpg

怪我をしている動物を自分の車が汚れるのもいとわずに病院に運んでくれる人、本当に頭が下がる。

 

しかし、ここからが僕らの頭が痛いところなのだ。

 

せっかく連れてきてくれた動物を治療し、なんとか命が助かったとして、その動物のその後の生活を引き受けてくれる人は全体からの割合からするとごくわずかなのだ。

 

ほとんどの人が、かわいそうだから、見捨てることができなくて、とりあえず連れてきましたというケースになってしまう。

  [続きを読む]
Sep 14, 2005
悲しい出来事

書こうか、書くまいか、迷っていたのだけど、正直に書こうと決めたブログなのだから書くことにした。

 

まず、始まりは今から5年くらい前のこと。

診察が終わった時間に電話がなった。

「今、目の前で犬が車にはねられました!すぐに診てください!。」とのこと。

 

工事現場などによくある青いブルーのシートに乗せられて1匹の柴犬が連れて来られた。

口と鼻から血が出ており、呼吸困難でショック状態に陥っていた。

横たわり、息をするのがやっと。

まずは聴診で心拍を確認。

心臓は意外としっかりとしているな、と思いつつ、酸素吸入や静脈留置を行ないながら全身状態を検査する。

そおっと体を触ってみる。

 

背骨が折れていた・・・。

  [続きを読む]
Sep 10, 2005
マムシ!

先日、獣医師のいない離島のワンコがマムシに咬まれた。

 

あっと言う間に顔が腫れ、血がぽとぽと垂れていたそうだ。

しかしその島には獣医師がいない。

夜、ツテをたよって僕に連絡が入った。

飼い主さんは必死にワンコの傷口に口をあて、毒素を吸いだそうとチューチュー吸ってあげたそうだ。

「それ以外になにか応急手当はありませんか?」

一般的にできる応急手当はそれくらいしかないと思う。

それどころか、毒素を口で吸うのは飼い主さんにとってもかなり危険らしい。

口腔内の粘膜や傷から毒素が吸収されるから。

 

幸い、ワンコやニャンコたちは人間よりもずっとマムシの毒に強いのだ。

すべてのケースで安心、というわけではない。

抵抗力の弱い場合や、免疫反応の強い場合は重症にいたることもあるらしい。

僕は今まで何例か診てきたが、死亡例を経験したことはない。

そのワンコも数時間後には顔の腫れが引いて無事だった(嬉)。

ワンコは鼻先、ニャンコは手先を咬まれることが多い。

 

今日も、山間部に住む別のワンコが来院した。

朝6時くらいにマムシに咬まれたそうだ。

来院は夕方4時、顔が2倍くらいに腫れていた。

だけど、元気も食欲もあった。

ステロイド剤で様子をみることに。

まず、大丈夫だろう。

 

夏〜秋、特に山間部の草むらにはワンコを入れないこと。

要注意である。

もちろん、人間も要注意。

僕はキャンプが好き。

来週は友人一家とファミリーキャンプの予定。

マムシ・・・、気をつけよっと!

Sep 06, 2005
たかが血便、されど血便

うちの病院(ほとんどの動物病院)は午前の診察時間が終わると、午後の診察時間まで数時間の間がある。

 

よくお昼休みと思われているのだけれど、昼休みは1時間。

もっとも1時間も取れないことのほうが多いのだけど。

残りの時間は手術とか麻酔をかけての処置、時には往診の時間なのだ。

もっとも緊急の手術は診察時間中でも夜でも行う。

 

さて、今日は手術がなく、全身麻酔下での検査があった。

症例は日本犬。

数日前からかなりの鮮血便が出ている。

指で直腸を検査する直腸検査では特に異常は見当たらなかった。

しかし、鮮血が止まらない。

 

そこで内視鏡で直腸内の検査をすることになった。

おかしなところがあったら、バイオプシー(組織の一部を切り取って病理検査に出して何かを調べてもらうこと)をする予定。

 

  [続きを読む]
Sep 04, 2005
ふう〜。

1125851464835817.jpg今日は格別に忙しかった。

 

まず、朝、腎不全で入院していたワンちゃんが亡くなった。

かわいがっておられただけに飼い主さんご一家もショックをかくせず、涙、涙だった。

 

そして、悲しむ間もなく帝王切開が入った。

3匹の子ワンコたち、そして母ワンコとも無事に手術が終わった。

母ワンコが麻酔から無事に醒めて子ワンコたちとご対面。

 

やれやれと、思う間もなくスタッフから「子宮蓄膿症です。」と。

スタッフみんな、お昼ご飯も食べる間もなく子宮蓄膿症の手術に入る。

僕の腕くらいに太くなった子宮にたっぷりの膿が溜まっていた。

下腹部には蛆虫までわいていた。

それでもとりあえず無事終了。

 

先週の貧血子ニャンコも来院。

あれから退院して絶好調。

今日も貧血もなく、体重もかなり増えていた。

治療は継続。

 

そして仕事、終了。

午後4時過ぎ、スタッフみんなで近くのファミレスへ遅い昼食へ行く。

あれやこれやと今日の反省会。

ふう〜、みんなお疲れさま。

頑張ってくれてありがとう!

Sep 02, 2005
ホウ酸団子

ゴキブリ用のホウ酸団子を食べてしまいましたが大丈夫でしょうか・・・?

 

先日、そう言って来院された方がおられた。

家で手作りしたホウ酸団子をわんちゃんが食べてしまったとのこと。

量は不明。

食べたのは昨夜。

 

実は、猛毒である。

重症ではさまざまな症状を出して死亡する。

10kgのわんちゃんなら、純ホウ酸2〜5gが致死量だそうである。

 

幸い、そのわんちゃんはごくわずかしか食べていなかったようで、嘔吐と下痢くらいで回復した。

 

家庭で作るホウ酸団子はホウ酸、小麦粉、玉ねぎ、牛乳などなど、いろいろなレシピがあるようで、わんちゃんたちにもかなり美味しいと感じる要素が含まれている。

しかも、かなりホウ酸含有量を多くして作られるのが普通のようだ。

50%以上含んでいるものなら、小型犬なら10gも食べれば致死量ということになる。

 

飲み込んだ直後に吐かせたり胃洗浄できればよいけれど、消化管からの吸収も早いようなので、動物のいるご家庭で作られる人は要注意です。