なかなか続きがアップできませんでした(汗)。
村に入って2ヶ月くらいが経過し、下宿先を中心にあちこちをうろうろし始めました。
ほとんどのうちに乳用の牛が1,2頭飼われており、家の周囲を自由に歩き回っていました。
牛のほかには移動用の馬、ロバ、ラバ。
卵や肉用にニワトリ、アヒル、ホロホロ鳥。
肉用に豚や羊、ヤギなどが人間と一緒に暮らしていました。
ペットのワンコやネコもいましたよ。
僕は獣医師ってことで村にいましたが、自前の聴診器くらいしかもっておらず、初めのころはまったく仕事にはなりません。
今のようなメールはもちろん、電話すらない村ですから僕の存在そのものはなかなか村中に伝わることはありませんでした。
現地の職員と相談して、村の中の地区ごとに村人を集め僕の存在をアピールし、人工授精のことや動物の病気の治療のことなどを宣伝してまわることにしました。
そうしてまずは自分の存在をアピール、将来の仕事のための啓蒙活動。
僕は2年間でどれだけの仕事ができるかって言うよりも、僕の後に続いてこの村にやって来る交代隊員のためにまずは土台作りをすることが最も大切だと考えました。
それにしても言葉が通じないことの悔しいこと、悔しいこと。
偉そうにドクター(スペイン語ではドクトール)を名乗っていても、幼児並みの会話しかできないのですから、おそらく最初は村人にかなりバカにされていたと思います。
下宿先では夜になるとロウソクやランタンの明かりの下、毎晩スペイン語の辞書を読んでました(笑)。
大きな町に派遣された隊員は、同じ町に他の職種の隊員がいたりするため、夜は隊員同士で集まったり飲んだりができます。
僕の場合は完全に一人だったので、まったく日本語を使う機会がありませんでした。
その代わり、スペイン語は飛躍的に上達しましたよ。
人間、なんとかなるものなんですね(笑)。