普通の動物病院の診療日記

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shu

小さな町の動物病院の獣医師です。

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Aug 27, 2005
猫白血病と猫エイズ

1125133866790445.jpg先日来院した猫。

 

状態はかなり悪く、まったく食事を取らず、さらに貧血まであった。

数年前にうちで避妊手術をしており、これでもう妊娠させずにすみますと言っておられた飼い主さんだった。

 

猫の様子を見るとすでにただ事ではないことは明確だったので、一般的な血液検査と一緒にウィルスの検査をさせてもらった。

 

結果は、白血病もエイズも両方陽性だった。

この両方の同時感染が元気なうちにたまたま見つかったものだったとしても、余命数ヶ月と言われる。

 

この子の場合はすでにあとわずかの寿命と思えた。

すでに僕のできうる範囲では、いかなる治療も効果がないと思われた。

 

それでも延命を望まれるならお預かりするのだが、残った時間を家族と一緒に過ごすほうを選ばれた。

 

白血病やエイズ、本当に難しく悩ませられる病気である。

Aug 24, 2005
塩分

つい最近まで、僕は「人間の食べ物には塩分がたくさん含まれているから与えてはだめですよ〜。」と言っていた。

 

しかし、最近大手の処方食フードメーカーのお話を聞いたところ、「健康なワンコやニャンコなら塩分はいくら与えても大丈夫ですよ。」と、ご意見が変わっていた。

僕らの世界は日進月歩、年々新しい情報が次々と出てくる。

去年まで「だめ」と言っていたはずのことが、今年は「オッケー」とかわるのである。

 

最近、動物たちに市販のペットフードに頼らないで手作りのフードを与えている飼い主さんも増えてきている。

ネットでも、また、本でも手作りフードに関する情報が増えてきた。

 

大切なことは「手作りフード」=「残飯」ではない、ということ。

愛情を持って手作りしてあげるフードに勝るものはないと思う。

ただし、それには飼い主さんたちの勉強も不可欠である。

 

そもそも野生の動物は獲物を倒して食すとき、わざわざ塩や醤油をかけたりしないわけである。

獲物の血液中、組織中に含まれる塩分だけで十分健康を維持できるわけである。

だからこそ、塩分を加える必要はない、心臓に悪い、腎臓に悪いと僕らは言ってきたのであった。

 

フードメーカーの研究により、健康な動物では余剰な塩分を排泄できる能力を持っていることがわかったため、「塩分を与えても大丈夫。」という結果になったという。

 

ワンコやニャンコが「おいしい」と感じるのは「塩分」・「脂肪」・「蛋白質」なのである。

苦味や旨み、辛味をおいしいとは感じないらしい。

 

だから塩分を加えることで動物たちはよりおいしいと感じることができるのである。

それは事実だと思う。

 

ただ、一つ問題がある。

塩分を取っていいのは、「健康な動物」なら・・・、で、ある。

 

もしも将来、腎不全や心不全に陥ったとき、先のフードメーカーも「塩分はだめです。」と言っている。

病気になるまでの間、塩分をたっぷりもらっておいしい食餌をしていた動物が、病気になったからといって塩分抜きの「まずい処方食」や「物足りない手作りフード」にもどれるのであろうか・・・?

 

今でも死因の上位を占める慢性腎不全や、心不全、こういう病気には過剰な塩分を与えてはならない。

 

うーん、今を喜んで生きるか、それとも病気になったときのことまで考えて警戒しながら生きるかってことだ。

決めるのは動物ではなく、飼い主さんなのである。

Aug 21, 2005
貧血子ニャン

血液は血球成分(赤血球、白血球)、血小板、血しょうからできている。

 

動物病院で血液検査をされると、よく肝臓の数値とか腎臓の数値とか言われる。

ようするに、血しょう、すなわち血液中の水分に含まれているいろいろな成分をみて、各種内臓の状態や体全体の状態を知ることができるものである。

 

血球成分をみることは、貧血や脱水などの評価になる。

今朝、朝一番で飛び込んできた生後1ヶ月そこそこの子ニャンは、体重240g、そして重度の貧血だった。

さらに下痢、嘔吐による脱水状態だった。

普通のにゃんこは血液(血球も水分もすべて含めたもの)のうち、赤血球が占める割合はおおよそ32%〜45%くらいと言われる。

 

今朝の子ニャンはわずか8%だった。

口も舌も眼結膜もすべて蒼白。

すでにぐったりして目も閉じないで息をしているだけだった。

体温もかなり低い。

先日亡くなった子にゃんことイメージがダブってしまう。

 

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Aug 19, 2005
東京へ行ってました。

2泊3日で東京へ行っていました。

 

先ほど帰ってきて午後から診察です。

今回はセミナーに参加して勉強に行ってきたわけです。

どんな仕事もそうだと思いますが、すごいスピードで獣医学も進歩していくので、どんどん勉強しなければ置いてきぼりにされてしまいますよね。

 

平日にもかかわらず大勢の獣医さんたちが参加しておられました。

 

動物病院がもっとも忙しいのは例年4月〜6,7月ごろです。

そのため、秋・冬は全国各地でさまざまなセミナーや学会が催されます。

そういうものに参加するのが楽しみな季節です。

(学生の頃は勉強が嫌いだったのですが・・・笑)

Aug 16, 2005
猫くん、ご帰宅!

と、言うことで、「初めてのお泊り」の猫くんは本日おかーさんが迎えに来てくれまして、無事、ご帰宅されました。

 

最初は僕らがうれしそうに取り囲んでいたためか、おかーさんに対しても「シャー」とかって怒っておりました。

しかし、僕らがいなくなるとすぐにケージの前に出てきてすりすりしていたようです。

 

しかし、キャリーバッグに入ろうとせず・・・。

その後はおかーさんの体にしがみついたまま診察室に移動。

6kgの体で爪を立ててしがみついていたようです(笑)。

移されたのが診察室だと雰囲気でわかったのか、今度は積極的にキャリーバッグに移動いたしました。

 

そして、無事、帰っていかれました。

実際にご帰宅されるのはもう少しあとだと思いますが、とりあえず無事に帰すことができてみんなほっとしています。

Aug 11, 2005
ブンタのピン抜き

1123753778951490.jpg7月の日記で紹介したノラ猫のブンタ。

 

大腿骨の複雑骨折で手術をした。

やさしい女性に飼ってもらえることになった。

 

そして、今日、ピンを抜いた。

女性の家にいるほかのニャンコと大暴れするらしいので、念のため1週間入院することになった(笑)。

もうノラではなくなったブンタ。

去勢もしたし、安全な室内で暮らしなさい。

 

Aug 09, 2005
初めてのお泊り

1123580896353083.jpg

生まれて初めて飼い主さんと離された猫くん。

 

飼い主さんがしばらく留守をされるため、どうしてもやむを得ずに預けられることになった。

 

普段うちでは大いばりらしい。

しかし、彼にとって自分以外の生き物は飼い主さん夫婦くらいしか見たことがない・・・。

 

初日。

瞳孔は開ききり、背中の毛は逆立ち、ケージの奥深くにうずくまり、何をしても石のように硬くなったままだった(笑)。

翌朝になってもまったく何も食べていなかった。

 

 

1123580907323220.jpg

3日目。

 

夜のうちにこっそりフードは食べた。

だってお腹が減っていたから仕方にゃかった。

 

さらに勇気を出してケージの外の世界をのぞいてみようと思った。

 

ただし、誰にも見つからないように、隠れてだ・・・。←見つかってるって(笑)。

瞳孔は開いたまま。

 

 

1123580916673432.jpg

7日目。

もうすっかり慣れた。

毎日、快食・快便。

 

ここの世界にいる人間たちが入れ替わり立ち代り話しかけてくれて体をなでてくれる。

最初は怖かったが、次第に気持ちよくなってきた。

 

今日は、ごろごろ言ってしまった。

 

瞳孔は正常なのである。

 

それにしても、僕のとーさんとかーさんはどこに行っちゃたんだろ・・・。

明日は迎えに来てくれるんだろうか・・・。

 

(残念、お迎えはまだ一週間以上先なのだよ。)

Aug 05, 2005
子にゃんこを助けられなかった

1123219747060470.jpg題名の通りです。

 

あの子にゃんこが亡くなりました。

 

麻酔をかけてしばらくしてから亡くなりました。

 

たくさんの人に応援してもらい、励ましてもらい、子にゃんこもすくすくと大きくなっていたのに。

 

440gだった体重も660gに増え、元気も食欲も旺盛でした。

 

飼ってくださる方と相談して足の手術をすることにしました。

今朝、血液検査をして若干の貧血はあったものの、十分麻酔には耐えられるだろうと判断しました。

結果的には僕の判断が甘かったのかもしれません。

麻酔に耐えられなかったのですから。

 

応援してくれていたみなさんには、隠しておいたほうがいいのかなとも思いました。

せっかく盛り上がってきたところに水をさすようで。

だけど何でも正直に書くと、このブログの一番最初に書いたので、隠すのはやめました。

ただ今はもう悲しいだけです。

 

飼ってくださる予定だった方に電話をして、お迎えに来ていただきました。

お母さんと高校生くらいの女の子です。

泣かれました。

でも僕やスタッフがあまりに落ち込んでいたので、逆に励ましてすらいただきました。

 

また一つ、命の重さが肩に乗ってしまいました。

 

子にゃんこ、そして、応援してくださってたみなさん、本当に力になれずごめんなさい。

 

 

 

Aug 04, 2005
よく見る子犬の回虫卵

あらら、写真を撮るのを忘れていましたが。

回虫卵、変な名前だけど、比較的よく見る寄生虫の卵です。

 

回虫って聞いたことのある方も多いでしょうね。

初めてのワクチンとか、初めての健康診断の時に見つかることが多いです。

 

胎児の時に母犬の胎盤から血液を通して感染することもあります。

多くは経乳感染といって、母犬のお乳を飲んでいる時に口から入ってきます。

または糞の中の子虫を宿した卵が口から入ってくることもあります。

 

口から入った子虫は胃に入り、小腸のリンパ管から消化管を脱出して肺や気管、肝臓、心臓など他の組織に入って行きます。

気管から食道に戻ってきて、再び胃、小腸へと戻って来れた虫だけが大人になって卵を産みます。

 

その卵が糞の中に出てきます。

ただし、卵は新鮮なうちは感染能力を持ちません。

数日すると卵の中に子虫が生まれます。

それを口にすることで感染してしまいます。

 

古いウンチには要注意です。

動物は自分のおしりなどを舐めますから、かわいい子犬などにペロペロと口の周りを舐めさせるのはほんとは危ないですね。

幼児など、人間にもうつります。

 

人間の体は犬とは違うため、人間にうつった回虫の幼虫は体内で道に迷ってしまいます。

眼球の中に出てきたり、他の臓器に迷入することが知られています。

ですから、小さいお子さんなどは気をつけてあげなければなりません。

もちろん、過剰に怖がる必要はなく、ちゃんと手洗いをしたり、キスをさせないようにすれば大丈夫です。

 

数年前でしたか、都会の公園の砂場に犬や猫を入れないようにしようとする運動がありましたね。

それが回虫対策でした。

 

やっかいなのは成犬です。

先に書いたように他の臓器や血液中に子虫のままで生存するため、検便でも見つかりません。

そのくせ、妊娠すると子犬にどんどんうつしてしまいます。

 

フィラリアの予防薬で回虫の駆虫もできるものもありますが、あくまで、「消化管内にいる回虫」に限ります。

成犬の他の場所にいる回虫は駆虫できません。

 

ですから子犬のうちに駆虫することが大切ですね。

 

ニャンコもほとんど同じですが、確か胎盤感染はなかったはずです。

ニャンコはグルーミングをするため、自分の糞中を自分で口にする可能性が犬よりも高いと言われています。

 

Aug 02, 2005
子にゃんこ、その後

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運ばれてきたとき。

この状態だった。

 

誰が見ても危ない。

厳しいかな〜って思いながら預かった。

 

ノラちゃんを預かるのは怖い。

どんな伝染病を持っているかわからないから。

現実的にノミだらけだったし。

 

入院している他のニャンコやワンコに病気やノミをうつすわけにはいかないから。

 

 

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そして、わずか3日でここまで復活!

 

食欲旺盛。

子にゃんこの生命力には驚かされる。

 

凛々しいお顔の女の子だった。

 

両足は骨折してすでに1週間以上経っていると思われる。

なんとか元に戻してあげたい。

 

拾った方は不自由な体でも飼ってあげたいと言ってくれてるぞー!

よかった子にゃんこ!