普通の動物病院の診療日記

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shu

小さな町の動物病院の獣医師です。

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Jun 29, 2007
ありがとう。

獣医師になって二十数年、動物の命、飼い主さんの考え方、獣医師や動物看護師のあり方、いろいろ考えさせられる毎日です。

動物が好きで好きで、助けられる命ならなんとかしてあげたくって自分自身が獣医師になってしまいました(笑)。

 

先日来の試験的開腹の記事は僕の獣医師人生のほんの一瞬の出来事かもしれません。

でも、それを無駄にしないよう、まだ頑張っているワンコのためにも、ワンコと一緒に頑張っている飼い主さんのためにもまだまだやらねばならないことがあると思います。

 

さて、さて、今日は悲しいけれど素敵な出来事がありました。

8才のウサギさんが亡くなりました。

数年前に毛球症で命を落としかけ、だけど飼い主さんの懸命の介護でみごと復活!

かなり心配性の飼い主さんは僕の病院と縁が切れず(もう、来なくてもいいよって言っても心配だからと定期的に来院されてました)、ほとんど毎週〜毎月健康診断や様子を見せに来ておられました。

 

この冬くらいから劇的に弱ってきました。

いろいろ調べましたが、基本的には老化だと思います。

 

次第に弱っていく子を見ながら仕事もできなくなりそうな飼い主さん。

お顔には疲れがどっと溜まっていくのが見えていました。

 

僕やスタッフの目から見ても飼い主さんの精神的状態が心配される状態でした。

こんな時思います。

僕は獣医師ですから、本来動物の心配だけしていればいいはずですが、どうしても飼い主さんのことまで心配になってしまいます。

 

とにかくお話しを聞くことにしています。

今日のウサギさんの飼い主さんもそんな中のお一人でした。

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Jun 27, 2007
試験的開腹2

先日書いた試験的開腹の続きです。

子宮と卵巣を摘出したワンコはあいかわらず食欲が出ませんでした。

抜糸に来てもらいましたが、状況は手術の前と大差ありませんでした。

CRPも高く、残念ながら試験的開腹はうまくいかなかったことになります。

 

手術当日、頚部のあたりにできた腫瘍が偶然見つかり、それを一部摘出して検査に出していましたが、結果的には最悪の悪性腫瘍でした。

 

飼い主さんにその結果を伝えること、治療をしても余命がかなり残り少ないことを伝えることを胃に穴があくような思いで話します。

大丈夫、助かるよ〜って、嘘をつきたいと思うのですが、僕にはできません。

 

いくつかの治療オプションを伝えます。

変な話ですが、同じ病気であっても動物の場合、いくつものオプションがあります。

すなわち、経済的な面、飼い主さんの自由になる時間的な面、技術的な面などさまざな角度からお話しをしました。

 

飼い主さんは大学病院でのセカンドオピニオン及び、治療を希望されました、

近いうちに大学病院へ行かれます。

大学は近くにはありません。

車で数時間はかかります。

大学病院に行っても、予後(今後の様子や残された寿命)には大差ないと思います。

でも、ご自分のやれることをやってやりたいという飼い主さんのお気持ちを最優先しました。

 

ワンコには頑張って欲しいな〜。

飼い主さんは無理をせず、心に余裕を持って見守って欲しいと思います。

 

僕も頑張らねばと思います。

Jun 25, 2007
ホテルで朝食

現在、大阪です。

昨日は心臓病のセミナーがありました。

朝一番の飛行機で大阪入りし、セミナーを聞きました。

何度も聞いたことのある先生のお話でしたが、毎回新しいお話があります。

常に学問は進歩しているのを実感します。

 

昨日聞いた内容を診察に生かしていかなければなりません。

心臓の病気ですから一生継続的に治療していくことが多いわけで、以前、僕が飼い主さんに説明した内容と若干違うことを説明し直さなくてはならない部分もあります。

 

飼い主さんには常々言っています。

「僕が今話している、説明していることは、今現在の僕の最新の知識です。何年かすると違うことを話しているかもしれませんが、それが獣医学の進歩です。何十年も同じことしか言わなくなったら、『先生、勉強止めたね〜。』って笑ってもいいからね。」って(笑)。

 

今朝はホテルで目覚め、バイキング形式の朝食をとりました。

最近、朝食をとるようにしています。

やっぱりその方が調子がいいですね。

 

さて、空港に向かいます。

Jun 20, 2007
血液中のフィラリアの赤ちゃん

フィラリア検査のシーズンもそろそろ終盤を迎えようとしています。

こうなると動物病院もホッと一息つけるんですね。

 

さて、先日フィラリア検査をしたワンコの血液中にフィラリアの赤ちゃんがたくさん見つかりました。

ミクロフィラリアと呼ばれるものです。

検査はミクロフィラリアを探すもの以外に、フィラリアのメス成虫から分泌される成分に反応して検査ができるキットのようなものを使用します。

そのキットでも陽性となりました。

 

フィラリアの赤ちゃんが見つかってしまったワンコの飼い主さんとの会話。

顕微鏡からつながったモニター画面が写っています。

血液中に数匹の赤ちゃんが泳いでいました。

 

「先生、これは成虫が産んだ赤ちゃんですか!!?」

「そうですよ、残念ながらこの子の心臓にはフィラリアが寄生しています。」

「先生は1滴の血液と言われましたが、たった1滴の中にこんなにいるのなら、全身にはどれくらいいるんでしょう?」

「さあ、正確にはわかりませんが、0.1ccにも及ばない血液に数匹いるのですから、全身数リットルの血液中には何万匹もいるかもしれません。」

「・・・、するとあとどれくらいか経つと、心臓に何万匹もの成虫が住み着くということですね。そうなったらうちの子はどうなりますか?」

 

さて、飼い主さんにとってはもっともな質問かもしれません。

心臓にフィラリアの成虫が寄生。

→赤ちゃんを産む。

→体内にたくさんの赤ちゃん虫が存在する。

→成長した赤ちゃん虫が心臓にやってきて成虫となる・・・、その数、数万!ほんと?

 

いいえ、答えは違いますね。

毎年この時期、飼い主さんたちに何度も説明する内容ですが、意外とご存じない方がおられます。

ご存知の方も多いでしょうけど、簡単に書いておきますね。

 

答えは下(追記)に。

 

 

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Jun 13, 2007
試験的開腹

なかなか更新ができませんでした(汗)。

 

さて、今日の手術です。

表題にあるとおり「試験的開腹」でした。

動物病院でこのように言われたことのある方もおられるかと思います。

あまり言わないことですし言いたくないことですが・・・。

 

どういう意味かというと、「お腹の中に、何か異常があると思われるけれど、確定診断が取れません。試しにお腹の中を切って覗いてみましょう。そのための手術です。」という意味です。

 

今日、僕が行った手術は、ある大型のメスワンコが1ヶ月近く食欲不振で、48kgあった体重が35kgまで落ちていました。

長い間立っていることもままならない状態で、診察台の上でもふらふらと座り込んでしまいます。

長く食事も取れず、日に日に弱っていく状況でした。

病院には通っておられましたが、点滴などの治療を受けると多少回復し、少しは食事を取る、でも、すぐに食べなくなるという状況が続いていました。

避妊をしていない10才くらいのメス大型犬で、陰部からは出血が続いていました。

出血は腐敗臭を伴い、子宮蓄膿症を疑わせるものでした。

かかりつけの先生の診断では「子宮に炎症がある。」とのことでした。

僕もまったく同じ診断をつけました。

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Jun 03, 2007
4〜5kg

4〜5kgという数字ですが、これは何でしょう?

猫の平均体重?

よく売れるドッグフードの量?

 

いえいえ、実は4月と5月の2ヶ月間で減った僕の体重です(笑)。

68kg台後半だった体重が、今朝63kg台になってました。

しかも昨夜は病院のスタッフと一緒に焼肉屋さんで焼肉たくさん食べたのに!

 

忙しいのも原因ですが、宅配してもらっている食材が非常に健康的なんですよね。

おそらく一生のうちで一番いろいろな野菜を食べてると思います。

毎日非常に疲れてぐったりなのですが、それでもきちんと仕事ができているのは食事のおかげなんでしょう。

栄養士さんがきちんと計算して献立を考えられているのでしょうね。

宅配食材屋さんに感謝です。

 

疲れてふらふらしている僕と嫁さんを見て、女性スタッフたちは純粋に体重減少をうらやましがっています。

「院長、いいな〜、痩せてきて。」って、おいおい、勘弁してください。

 

今回も、動物に関係ない話で申し訳ありませんでした〜・笑。