普通の動物病院の診療日記

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shu

小さな町の動物病院の獣医師です。

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試験的開腹2

先日書いた試験的開腹の続きです。

子宮と卵巣を摘出したワンコはあいかわらず食欲が出ませんでした。

抜糸に来てもらいましたが、状況は手術の前と大差ありませんでした。

CRPも高く、残念ながら試験的開腹はうまくいかなかったことになります。

 

手術当日、頚部のあたりにできた腫瘍が偶然見つかり、それを一部摘出して検査に出していましたが、結果的には最悪の悪性腫瘍でした。

 

飼い主さんにその結果を伝えること、治療をしても余命がかなり残り少ないことを伝えることを胃に穴があくような思いで話します。

大丈夫、助かるよ〜って、嘘をつきたいと思うのですが、僕にはできません。

 

いくつかの治療オプションを伝えます。

変な話ですが、同じ病気であっても動物の場合、いくつものオプションがあります。

すなわち、経済的な面、飼い主さんの自由になる時間的な面、技術的な面などさまざな角度からお話しをしました。

 

飼い主さんは大学病院でのセカンドオピニオン及び、治療を希望されました、

近いうちに大学病院へ行かれます。

大学は近くにはありません。

車で数時間はかかります。

大学病院に行っても、予後(今後の様子や残された寿命)には大差ないと思います。

でも、ご自分のやれることをやってやりたいという飼い主さんのお気持ちを最優先しました。

 

ワンコには頑張って欲しいな〜。

飼い主さんは無理をせず、心に余裕を持って見守って欲しいと思います。

 

僕も頑張らねばと思います。

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この記事への返信
頑張って欲しいです。
でも…複雑な気持ちもあります。
数年とか数ヶ月とか生きていてもらって満足するのは人間。
動物には「もう嫌だ」「しんどくて辛くて」「死にたい」という思いはなく、本能で生きるだけ、治療で体がラクになる事を覚えた動物は、最初は抵抗気味だった治療をだまっておとなしく受けるとも聞きます。

私の愛猫は18歳で死にました(あれから2年たちました)
長いという人もいればもう少し生きれたかもという人もいます。
具合が悪くなってから2週間もしないで死んでしまいました。病院へは行っていません。
多分腎臓が傷んだと思うので、病院へ行けばあと数年は生きたのでしょう。
でも、その数年というのは回復→辛い→回復→また辛い→回復→治ったわけじゃないんだけど元気でたかも、の繰り返しです。
生きていて欲しい、いつまでも一緒にいて欲しいのはもちろんなんですが、対症療法しかないのであれば、早めにラクにしてあげたいというのもひとつの選択だと私は思います。
人間だけの尊厳死ではないと思うのです。



Posted by ぽん太 | 00:52:31, Jun 28, 2007
おはようございます。
そうですか...悪性腫瘍でしたか....辛いですね。
わんこも飼い主さんも、そしてshu先生も.....。
わんこの飼い主さん、ぽん太さんのお気持ち良くわかります。
私もクロが「巨大食道症」と、聞いた時かなり悩みました。
センカドオピニオンの先生に尋ねたり、同じ病気で戦っている
飼い主さんのブログを訪ねたりして、家族と相談し我が家の
治療に対するレールを作り、かかりつけの先生と相談しながら
頑張りました。
どちらが良いとか悪いとかは無く、飼い主はペットの為に考え
ペットも飼い主との信頼関係の中で生きて行くのだと思います。
「今私がしている事は、この子にとって辛いことでは無いでしょうか?
先生に質問した時、
「いいえ、この子はあなたとの信頼の中、治療を受けていますよ」
と、言って頂いた事を良く覚えています。
その子の病状・体力・飼い主の時間的な面・経済的な面を
加味した上、治療方針を先生と相談できれば一番良いと思います。
だからそれぞれ違った治療方法になって当然ですよね。
だだそのわんこが、苦しまないで寿命をまっとう出来ればいいなと思います。


Posted by クロちゃんママ | 08:19:07, Jun 28, 2007
お久しぶりですぅ〜"^_^"

難しい選択ですね・・・・
その場になってみないと分からないですが
私は主人を延命治療の末5年植物状態で生き続けてもらいましたが
気管切開をどうするか??と問われた際には
迷わずお願いしましたが結局
意識が戻る事もなくまだ41歳の若さで寝たきりの状態の生活となり人様のお手を借りなければいけなくなってしまった事
オムツ交換、お風呂の介助と41歳なのにそうまでして主人に生き長らえて欲しいと時間がたつにつれ思えなくなっていた事などを思い出しました。。。。
あの時気管切開をお願いした事を後悔もしております
きっと良くなってくれていればこの様な感情もいだかなっかたのでしょうが
これまた不思議なのですが
5年と言う歳月が昨年9月に亡くなってしまった今も
「主人が亡くなった!」と言う感情が薄くて
今も病院で寝たきりの生活を送っている
そうどこか私の心の片隅にあるようです
その時々の感情があって当たり前なのですからね〜
でもね、その反面物言わぬ主人とのんびり過ごせた事が
主人が亡くなった今も取り乱さずに居られるのだろうな
などとも思う今日この頃なんですよ

Posted by りえママ | 10:42:40, Jun 28, 2007
やっぱり私が想像していた通りになってしまいました。残念としか言いようがありません。
私も昨年の事思い出してしまいました。
私は大学病院は止めました。
病院が大嫌いな仔・・・また知らない先生や検査やらでストレスが大きい事がいちばん可愛そうでならなかったからです。いつもの病院で抗がん剤治療を始めました。でも2回で諦める事になりました・・・あまりにもダメージが大きすぎたから。それからは対処療法で頑張りましたが発見から丁度1ヶ月で旅立ってしまいました。もっとどうにかならなかったのかな〜と今でも思いは募ります。でも自分の考え付くことはすべてやったつもりです。
辛くても立って排泄へ行く、一生懸命生きようとする。
苦しくても自ら命を絶つことなど出来ない。沢山の事を私に教えて逝きました。悲しくて辛くて泣く事しかできなかったけど最後は自然とありがとうといえました。今までずっとずっとありがとう!楽しかったよまた会おうねって!

その飼い主さんもワンちゃんもこれからが辛く厳しい日が続くと思います。どうか苦しむことなく穏やかな時間を過ごされる事を心から願っています。

先生も・・・告知は辛いものなのですね・・・・
Posted by バフィリン | 16:58:58, Jun 28, 2007
ぽん太さん、クロちゃんママさん、りえママさん、こんにちは。
みなさんのコメントを読み返せば読み返すほど、考え方に感心したり考えさせられたり、そして僕なりに何度もコメントを書いてみたのですがどうにも限られた行数と顔が見えない文字だけではうまく伝わらないような気がして、結局消してしまいました。
それぞれのみなさんに個別に書きたいのですが、仕事の合間に書けるほど軽いテーマではないですね。
書けないことお許しくださいませ。
少なくとも、とても勉強させていただきました。
Posted by shu | 17:23:23, Jun 28, 2007
バフィリンさん、こんにちは。
時間をかけて書き込んだため、バフィリンさんのコメントに気が付きませんでした。
バフィリンさんもコメントありがとうございます。
なかなかうまい言葉が思いつかず申し訳ありません。

たった今までまた別の飼い主さんに血管肉腫の説明をしていました。
あと数ヶ月の寿命かもしれないって・・。
告知は辛いです。
慣れれば平気かもしれませんけど、僕は慣れてしまいたくないです。
それにしても本当に腫瘍が多いです。
あるいは、多く感じているのでしょう。
Posted by shu | 18:40:05, Jun 28, 2007


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