動物の総合栄養食って何でしょう。
平たく言えばペットフードのことです。
ペットフードですが、おやつや添加物、サプリメントなどではなく、「総合栄養食と水」だけで暮らしていけるペットフードのことです。
病院の仕事をしていると、最もよく受ける質問のひとつにペットフードのことがあります。
「どんなフードがいいのですか?」
「お勧めのフードやメーカーはありますか?」
「一日何回与えるのですか?」
「量はどれくらいですか?」
など、やっぱり毎日口にするものですし、食べるものというのは健康の基本でもあるわけですから、飼い主さんたちも関心が高いと思います。
以前にも書きましたが、最高のフードは栄養学をきちんと勉強された飼い主さんが、その子のために毎日(あるいはまとめて)手作りされるフードかもしれませんね。
愛情たっぷり、栄養満点。
でも、やはり多くの飼い主さんが(僕もですが)手作りはなかなか難しい(めんどくさい)と考えておられるようです。
そこでお勧めのフードということになると、なかなか簡単に推薦できないというのも現状です。
ですが、確実に言えるのは「安いフードはダメ」だと思います。
高いものはそれなりに理由があって、特にたんぱく質の質の良いフードは安く作ることはできないそうです。
ペットフードには法的な規制がないため、粗悪なもの、添加物がたくさん入っているものなどほとんど自由に作って売られています。
その中で、フードの袋のどこかに「ペットフード公正取引協議会」という言葉があるフードがあります。
これはペットフード業界が、自主的に決めているもので、原材料とか賞味期限とか原産国などが書いてあります。
そして、分析試験とか給与試験という言葉が書いてあるものもあります。
分析試験とはそのフードが「総合栄養食」としてきちんと必要な成分を満たしているかどうかの試験で、これに合格していなければ「総合栄養食」とは言えません。
すなわち、そのフードと水だけではまともに生きていけないということになります。
ただし、成分さえきちんと基準を満たしていれば、どんなたんぱく質を使っていようとかまいません。
そこで、次に給与試験というものがあります。
これは実際に動物にある期間、フードを与えて、健康状態などを見て問題がないかどうかを確かめる試験です。
これにも合格しているものがより信用できると言えるでしょう。
また、さらにアメリカの基準でAAFCO(アメリカ飼料検査官協会)というものがあり、これはアメリカ製のフードに書いてありますね。
同じく分析試験や給与試験などに合格したフードに対して標記されます。
しかし、世の中には悪い人もいるようで、紛らわしい表示を使っていかにも良いフードと思わせるような書き方をしてみたりもあるようです。
上記の試験も本当にきちんとした検査なのかどうか、あくまでも業界が自主的に行っていることなので真実はわかりません。
ですが、何も書いてない安物のフードより、少なくとも、「ペットフード公正取引協議会」か「AAFCO」の「分析試験」、できれば「給与試験」に合格しているフードが安心だと言えるでしょう。
残念ながら、きちんとした原材料を使ってあって、ちゃんと上記の試験を受けて合格しているフードは「高い」です・・・。