先日、獣医師のいない離島のワンコがマムシに咬まれた。
あっと言う間に顔が腫れ、血がぽとぽと垂れていたそうだ。
しかしその島には獣医師がいない。
夜、ツテをたよって僕に連絡が入った。
飼い主さんは必死にワンコの傷口に口をあて、毒素を吸いだそうとチューチュー吸ってあげたそうだ。
「それ以外になにか応急手当はありませんか?」
一般的にできる応急手当はそれくらいしかないと思う。
それどころか、毒素を口で吸うのは飼い主さんにとってもかなり危険らしい。
口腔内の粘膜や傷から毒素が吸収されるから。
幸い、ワンコやニャンコたちは人間よりもずっとマムシの毒に強いのだ。
すべてのケースで安心、というわけではない。
抵抗力の弱い場合や、免疫反応の強い場合は重症にいたることもあるらしい。
僕は今まで何例か診てきたが、死亡例を経験したことはない。
そのワンコも数時間後には顔の腫れが引いて無事だった(嬉)。
ワンコは鼻先、ニャンコは手先を咬まれることが多い。
今日も、山間部に住む別のワンコが来院した。
朝6時くらいにマムシに咬まれたそうだ。
来院は夕方4時、顔が2倍くらいに腫れていた。
だけど、元気も食欲もあった。
ステロイド剤で様子をみることに。
まず、大丈夫だろう。
夏〜秋、特に山間部の草むらにはワンコを入れないこと。
要注意である。
もちろん、人間も要注意。
僕はキャンプが好き。
来週は友人一家とファミリーキャンプの予定。
マムシ・・・、気をつけよっと!