普通の動物病院の診療日記

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shu

小さな町の動物病院の獣医師です。

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ハエウジ症

1186212162094111.jpg今年は冬が暖かかったせいでしょうか、春頃から今までにハエウジ症にかかった動物が5,6匹来院しました。

 

ハエウジ症って、そうです、蝿の蛆虫が体に寄生してしまった状態です。

 

最初に来たワンちゃんはひどい下痢症でした。

汚物が肛門や尾の周囲にべとべとに付いてしまい、気づいたときには尾根部、臀部、腰部、直腸内にまでウジがわいていました。

 

次にきたのは学校で飼育されているウサギさん。

外傷部分に蝿がたかりウジが発生していました。

 

それから、床ずれのできているワンちゃんや弱っている猫さんなどが続けてやってきました。

動物の毛の中や、怪我している皮膚の内側からウジがうじゃうじゃ出てくるのを見られると、多くの飼い主さんはびっくりされます。

 

病院ではスタッフがピンセットなどで丁寧に取り除きますが、取っても取っても出てくることもあります。

200匹くらい取れることもあります。

取れるだけ取った後、注射をしてウジを殺したりもしますが、とにかく蝿が卵を産みに来ないようしっかり気をつけてもらいます(とは言え、蝿はどんどん産卵するようですから、気をつけるだけでは難しいですね)。

下痢や床ずれなど、ウジがわく原因をしっかり治療していきます。

治療がきちんとできればウジはわきません。

何故か蝿はちゃんとその辺のことを見分けることができるようです。

 

蝿に負けないよう、不潔にならないよう気をつけましょうね。

それにしてもグロテスクな写真で申し訳ありません。

 

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この記事への返信
はじめまして。
偶然こちらを見つけて、時々おじゃましては勉強させていただいていました。
今回のウジ・・・鳥肌がたちますね
実は私はトリマーでして、お客様わんこにも何度かウジがいたことがありました。まぁ、私は見るのも無理だったので触ってもいないですが(笑
それで、今回は先生にちょっと質問がありましてお時間がありましたらお答えいただければ嬉しいです♪
 ちょっと説明し難いのですが、オスの去勢済みわんこは、メスの上に乗って交尾行動をしても、合体することはないのですか?あと、精液はもちろんでないと思いますが、精液はでなくても(精液なしの)液体?水分?のようなものはでるのですか?

Posted by ナルナル | 22:25:30, Aug 04, 2007
ナルナルさん、こんにちは、はじめまして。
トリマーさんなんですね。
確かに病院スタッフにとっても蛆虫は気持ち悪いですが、そこは仕事なので無理してでも頑張ってもらってます(笑)。

去勢済みのオスわんこでもいわゆる勃起をすることはありますし、交尾行動を取ることもあります。
メスが交配適期で拒まなかった場合、実際に交尾が成立することもあるようです。
もちろん、精液は出ないので妊娠はありません。
それ以外の液体については僕にはわかりません。
場合によっては尿や前立腺液が出ることがあるかもしれません。
Posted by shu | 10:33:13, Aug 05, 2007
こんにちは〜ハエウジ症怖いですね。
怪我をした野良猫ちゃんや子猫に良く見かけるそうですが、
飼い犬でもあるのですか????
我が家の白い柴わんこは外飼いですが、年を取ったせいか今春
アレルギーが出て、毎日のようにイヤーローションで耳掃除
をしています。
そうしないとヤニ耳垢が溜まりかゆみが出る様です。
ほっておくと蝿が付きますか??とっても怖くなりました。
目ヤニも出易くなりましたし、肉球が硬くなっているので
ローションで拭いて薬を付けています。
身体にかゆみが出ないように毎週薬用シャンプーで洗い、
フードもスキンケアに替えました。
とっても元気はありますが、このまま外飼いでも大丈夫なのかなぁ??
Posted by クロちゃんママ | 15:22:02, Aug 05, 2007
クロちゃんママさん、おはようございます。
飼い犬でも蛆がわくことあるんですよ。
ただ、やっぱり放置されてるようなワンコばかりです。
たとえどこかがが悪くてもしっかりケアされているようなワンコにはハエは来ない(来てもハエウジ症には至らない)と思います。
下痢しているのに放っておかれたとか、床ずれができてるのに気付いてもらえなかったとか・・・、そんなケースがほとんどです。
ほんとに不思議ですがハエはその辺がよくわかっているようです。
Posted by shu | 10:28:07, Aug 06, 2007
いつも為になるお話ばかりで^^
以前。白血病とリンパ腫の違いの回答ありがとうございました。なんとかサイトUPに向けて頑張っています。
ん〜本がほしい所ですが(メルク獣医本・小動物の臨床栄養学)専門書は高い(TT)貯めて買います(笑)
現在は野良を保護しましたが、また白血病キャリアさんでした〜(縁があるのかしら^^;)体重が増えずで四苦八苦って感じですね〜
ハエウジ症なんて初めて聞きました。怖いですね〜(><)
猫ちんにもですか・・・(気をつけよう)
肛門からでてるのから発見はしやすいんですよね??
(ドキドキ)

Posted by kiri | 02:54:32, Aug 09, 2007
kiriさん、こんにちは。
頑張っておられるようですね♪
勉強したり調べたりすることはなかなかたいへんでしょうけど、質の高いサイトをアップされるよう応援しています。
専門書の値段の高さには僕らも日ごろから泣かされています(笑)。
猫さんもハエウジ症にかかりますから気をつけましょうね。
Posted by shu | 18:36:20, Aug 09, 2007
すみません、同業者でございます
ちょっと質問です
はえうじ症の治療に使う注射とは、何の事でしょうか?
当方も、いつも困ってますので、有用な情報があれば教えてください〜
よろしくお願いします・・・
Posted by 三毛猫 | 16:30:22, Nov 10, 2007
三毛猫さん、はじめまして。
同業者さんからの書き込みは初めてなのでうれしく思います。
注射薬はイベルメクチンのことです。
当然、適応外使用ですしインフォームドコンセントも必要です。
適応外使用の場合、何らかの文献や情報を参考にして接種をしているのですが、それがどこのものだったか調べてみましたが見当たりません・・(ずっと昔から使っています)。
効果は著効です。
ウサギさんについてはVMNで霍野先生がイベルメクチンの投与を書いておられました。

投与量は疥癬に使用する量を投与しています。
もちろん、用手にて取れるだけ取り除いて、それでも奥のほうに潜んでいる場合に使用します。

では、今後ともよろしくお願いします。
Posted by shu | 10:31:53, Nov 11, 2007
なるほど〜
半日ぐらいで効果ありますかね?>イベルメック
しかし、
毎日大忙しで、大変そうですね!
近ければ、アルバイトに伺うのに〜
Posted by 三毛猫 | 09:24:46, Nov 12, 2007
三毛猫さん、こんにちは。
どらくらいで効果がでるか、はっきりとはわかりませんが翌日にはいなくなっていることがほとんどでした。
いっつも忙しいわけではありませんよ〜。
でも、アルバイト来て下さい〜(笑)。
Posted by shu | 13:56:46, Nov 13, 2007
ご無沙汰してます。
最近、国立科学博物館で開催中の「ファーブルに学ぶ」http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/special/2007/fabre/ex/local/02/index.html を見てきたのですが、そこで「マゴット(ウジムシ)療法」なるものがあるという記述を見ました。
患部にウジムシを置いておくと「膿や壊死部分を食べ、殺菌作用のある分泌物を出して、傷の回復を促してくれる」のだそうです。そういえば、TVだったか新聞だったかで私も以前見たのを思い出しました。
もちろん、治療に使うのは無菌室で育てたハエの幼虫(ウジ)ですから、感染症を引き起こすようなことはないと思います。
気味は悪いけど、あわてて取らなくてもいいものなのかもしれないですね。もっとも、サナギになった時点で駆除しないと大変でしょうが・・・
Posted by TYCHO | 18:55:52, Nov 13, 2007
TYCHOさん、こんばんは〜。
情報ありがとうございます。
僕は臨床現場からの経験しかありませんが、実際にウジ虫君たちは壊死した組織しか食べません。
弱った動物の壊死した組織を蝕みますが、健康で生きている組織には手を出さないようです。
本当に不思議です。
まして、それが臨床に生かされるかどうかは不明ですが、掃除屋さんとしてはもしかしたらうってつけかもしれませんね・・・。
ちょっと抵抗はありますが(笑)。
Posted by shu | 22:41:17, Nov 13, 2007
大阪公立大学共同出版会(072-222-4844)から2006年に「マゴットセラピー/ウジを使った創傷治療」という本が出版されています。
著:W.フライシュマン、M.グラスベルガー、R.シャーマン 訳:沼田英治(大阪市立大学大学院理学研究科教授)、三井秀也(岡山大学医学部心臓血管外科)

獣医学への応用はどうなんでしょう。
ハエが不衛生なのは汚いものに止まるからであって、卵とウジは生みつけられた場所が汚くなければウジ自体はきれいなはずですが、ハエがたかる場所っていうのが臭いがあるところでしょうから、患部を清潔にするのが先ってことになりそうですね。

Posted by TYCHO | 01:21:17, Nov 14, 2007
TYCHOさん、おはようございます。
人間のほうでは昔からある治療法だったんですね。
僕は知りませんでした。
検索してみたらたくさんヒットしました(汗)。
実際に今でも上記のお医者さんたちが実践しておられるようで糖尿病などの難治性潰瘍などに効果があるんですね。
衛生面では問題ないと思います。
現実的には動物たちの場合、適応となる症例がどれくらいあるのか。
希望される飼い主さんがどれくらいおられるのか。
費用の面もたいへんそうですね。
しかしとても面白いですねー。
ありがとうございます。
Posted by shu | 09:48:07, Nov 14, 2007
ハエが菌をばら蒔く様なことはありますか?汚いイメージがありますが、ハエは花など蜜みたいな物に止まったりしますよね。
菌は付かないし ばら蒔く様なことはないですよね!
Posted by ねこ | 12:53:36, Jun 23, 2008
ねこさん、初めまして。
通常のハエは動物の糞にとまったりしますので、衛生的には汚いと思います。
上記の治療で使われるハエ(ウジ)は無菌的な管理がされているので汚くはありませんが。
Posted by shu | 12:39:02, Jun 27, 2008
返信ありがとうございます。
飛んで菌は落ちないですよね?
医者曰く、ふんも乾燥したら汚くないとおっしゃいました。
飛んだ位では菌ばら蒔かないですよね?
Posted by ねこ | 08:26:18, Jul 09, 2008
はじめまして。
突然のコメント失礼致します。

今朝、我が家の犬が、草むらで鼻を突っ込んで何かしていると思ったら、蛆がわいている糞がありました。
相当気持ち悪かったです・・・。

もしかしたら、蛆を食べてしまったかもしれないのですが、
内臓から食い荒らされると言うことはありますか?
健康体であれば、大丈夫とのことですが、もし食べていたら、蛆の死骸が糞から出てくると言うことでしょうか?

よろしくお願いいたします。
Posted by yuki | 10:16:27, Aug 05, 2010


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