普通の動物病院の診療日記

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shu

小さな町の動物病院の獣医師です。

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咬傷と治癒機転2

1149039055679635.jpg

さて、昨日の写真の大きく開いた皮膚の欠損部分を、生理食塩水か水道水を温めたもので軽く洗浄します。

消毒薬は一切使いません。

 

そして乾燥しないようにラップをあてます。

 

創傷の部分から分泌液が出てきますが、これらは組織が再生するのに必要なものです。

 

 

 

 

 

1149039070599491.jpg

あまり汚れても困るので、ラップの上に吸収性シートをかぶせて、たれ流れてくる過剰な水分を吸収させます。

シートが落ちないように、包帯を巻いてあります。

 

シートの代わりに紙おむつなども使用できます。

 

分泌液の量によっても違いますが、最初は毎日交換してもらいます。

交換時に水道水で軽く流す程度に洗ってもらっていました。

 

このワンちゃんの場合は、他のワンコの犬歯が大腿部や腰部の筋肉に深く突き刺さっていたため、経口的に抗生物質を1週間程度使用し、深部からの感染を防ぎました。

 

明日は、一週間後、2週間後の創傷部の写真をアップしますが、治療はあくまでもケースバイケースです。

すべての怪我に同じ治療法が適用になるとは限りません。

このワンちゃんのように深部にまで傷が達している場合は、抗生剤が必要になることもあります。

 

今回の記事も、あくまで「こんなケースもあるんだ〜。」というような参考程度にしてくださいね。

こんなに大きな怪我は必ず病院へ行ってくださいね。

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この記事への返信
ちょっとどころじゃない噛み傷なんですね(>_<)
ココまできたら私からしたら殺人事件なみですよ。猛獣です・・・。
私は犬も大好きですが、犬も猫も他の動物もいつどんな時に野生の本性がでるかわからないと思っています。
「絶対安全」なんてないですよね。
このワンちゃんは傷が治るんですね(ホッとひと安心)
最悪の事態にならなくて本当に良かったです。
リード無しなどの飼い方をされている人は今一度見直して欲しいですね。
Posted by シゲルのママ | 11:58:57, May 31, 2006
痛々しくて、辛いです。絶対にノーリードはダメです。
先日、車で走っている時に、歩道を散歩中のマルチーズが飛び出してきました。轢いてしまった・・・頭が真っ白になったとき、車の下からワンコが元気に出て来てホッ。本当に運がよかった。飼い主さんが思いっきり睨むので「ちゃんと、つないどけ!」と叫んでしまいました。どんなに躾ができていても、何があるか分かりません。轢かなくてよかった〜今でも思い出すとドキドキします。
Posted by まっちゃん | 15:13:41, May 31, 2006
かなりヒドイ傷ですね(涙)

私も基本的にはノーリードは反対です。
生命のあるものには、絶対という言葉はないと思ってます。
ですが・・・・
公園で誰もいなかったりワンコが居ない時は
少しの時間だけ放してしまいます。(反省)
もちろん誰かか来たり、ワンコの姿が見えると即リードをつけます。
しかし!!
やはり、今回の内容を読ませて頂いて・・・
考えが甘いと反省しました。
もちろん我が子が咬まれるだけでなく、
迷惑をかけてしまう意味も含めて。。。
本と、情けない飼い主です。
ありがとうございました。
Posted by ちぇりママ | 03:55:43, Jun 01, 2006
知人からこのサイトの事を聞き、今日初めてお邪魔させて頂きました。
じつは先月、11年間大切に育ててきた我が家のヨーキーが亡くなりました。公園を散歩中に突然2匹のラブラドールに襲われそうになり、怖がりだったうちの子が慌てて逃げようとした拍子に、すぐ傍にあったフェンスの鉄柱にぶつかってしまったのです。頭を強打して2日後に息絶えました。
こちらはリードに繋いでおり、2匹のラブラドールはノーリードでした。後日私の父親が激怒してリードに繋ぐよう求めたところ、「うちの子達は遊びたかっただけ、咬みついたわけでもないし、呼べば戻るように訓練してある」と今でもノーリードを続けているようです。ドッグランでの事故の話も聞きますが、それとは訳が違います。
管理人のshu様、長々とすみません。あの子の死を無駄にしたくなかったので、書き込みさせて頂きました。
Posted by 佐伯香奈 | 16:01:19, Jun 01, 2006
2週間後の写真がUPされるということは、このワンコは良くなったということですよね!?
ヨカッタですっ(>_<)
「ウチの子は大丈夫」と思っている飼い主ほど怖いものは無い、と思います。
最近はリードどころか、"毛が痛む"と首輪(鑑札)すら付けていない飼い主もいますし、酷い飼い主だと「室内飼いだから」と狂犬病の予防接種もしないとか。
噛まれた方はもちろんですが、噛んだ方も人間の被害者なのかもしれません…。
Posted by わらび | 16:30:25, Jun 01, 2006
シゲルのママさん、こんばんは。
そうなんですよ、「絶対安全」なんてありません。
どうそれに気づいてもらえるか、なんです。
傷はすごく良くなりました。

まっちゃんさん、こんばんは。
轢きそうになられたんですか!
怖い経験されましたね。
ずっと前の日記の返信に書いたことがあるけど、僕は猫を轢いてしまったことがあります。
15年以上前のことですが、今でも忘れられません。
うちの猫は外に決して出しません。

ちぇりママさん、こんばんは。
少しだけ放してしまわれる・・・、正直にありがとうございます(感謝)。
こちらこそありがとうございます。

佐伯さん、こんばんは。はじめまして。
たいへんつらい思いをされたのですね・・。
たとえラブたちに悪気はなかったにせよ、それはラブの飼い主さんの責任です。
動物を飼うからには、その子たちの行動で起こってしまったことに関してはすべて責任をとらなければなりません。
その前に、起こるかもしれない事故は防ぐ努力をしなければなりません。
でなければ、動物を飼う資格はないと思っています。

わらびさん、こんばんは。
そうです、このワンコは治りましたよ。
狂犬病の予防注射の接種率も50%を切るようです。
もし、日本で狂犬病が発生したら、トリインフルエンザやBSEの比ではないパニックになるのでしょうけど・・・。
Posted by shu | 19:05:49, Jun 01, 2006


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