この時期の忙しいのを言い訳に、ずいぶん更新をさぼっていました。
あいかわらず毎日いろいろなことがあるのですが、これは数年前の写真です。
ニャンコの体から異臭がする、元気、食欲が落ちてきたとのことで来院されました。
身体検査をしてみると、首に1本の輪ゴムが食い込んでいました。
輪ゴムは次第に皮膚に食い込み、次に筋肉に食い込んでいきます。
その間、何日もかかるわけですから、ニャンコにしてみればたまったものではありません。
このおうちには小さなお子さんがおられました。
もしかしたら、ニャンコをかわいがって、首輪の代わりにと輪ゴムをかけてしまったのかもしれません。
外出するニャンコでしたから、どこかの誰かにかけられたのかもしれません。
輪ゴムをはずして汚れを洗浄してやり、数日間抗生物質を飲ませていただきましたが、驚くほど早く治りました。
消毒薬は新生する組織に害を与えるため、創傷部には直接使用しません。
病院だと生理食塩水などで洗浄するか、水道水を温めて洗浄します。
また、創傷部は乾燥させないようにし、嫌がらない子ならサランラップのようなもので包んで包帯をしてあげます。
この子はすぐに食欲が出たため1泊くらいで退院しました。
おうちで、ラップを交換してもらい、汚れを暖めた水道水で洗浄してもらいます。
いずれにしても、輪ゴムは毛に隠れ、さらに皮膚に食い込むため発見が遅れたのでした。
不快感や痛みを言葉で伝えることのできない動物に代わって、飼い主さんたちが気をつけて見ていてあげてくださいね。
小さいお子さんのおられるご家庭では、このようなことも起こる可能性があるということを頭の片隅に置いといてくださいね。