小型ワンコの飼い主さんなら、けっこうな数の方が経験されていると思うけれど、「僧帽弁閉鎖不全症」という病気がある。
病気の内容については後日書くとして、今日、何年もの間その病気と闘っていたワンコが亡くなった。
その子に限ったことではなく、また、この病気に限ったことではなく、老衰にしても病気にしても、いつかは亡くなってしまうもの。
飼い主さんたちもそれは承知で一緒に暮らしておられるけれど、やはりそれが現実になったとき、言葉では言い尽くせない悲しみに襲われる。
今日も、動かなくなったワンコを抱きしめて号泣されていた。
僕らにできることはもうないのだけれど、何かを言ってあげたいし、何かをしてあげたいという気持ちでいっぱいになる。
何の慰めにもならないかもしれないけど、僕の病院では頑張ったけれど亡くなってしまった動物達のおうちにお花を届ける。
動物達に関しては、どの子が頑張っていた、どの子が頑張っていなかったなんて境目はなく、みんな頑張っていたに決まっている。
だから、「頑張っていた飼い主さん」に、せめてもの気持ちとしてお花を贈る。
通常なら、お花は贈る方も贈られる方もうれしいものであるだろう。
だけど、僕の病院が買うお花に限っては、買いたくないお花なのである。
そして今日のワンコ、あれだけ飼い主さんに愛されていたんだから、間違いなく幸せだったと思う。