普通の動物病院の診療日記

November, 2010
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shu

小さな町の動物病院の獣医師です。

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買いたくない花

小型ワンコの飼い主さんなら、けっこうな数の方が経験されていると思うけれど、「僧帽弁閉鎖不全症」という病気がある。

病気の内容については後日書くとして、今日、何年もの間その病気と闘っていたワンコが亡くなった。

その子に限ったことではなく、また、この病気に限ったことではなく、老衰にしても病気にしても、いつかは亡くなってしまうもの。

飼い主さんたちもそれは承知で一緒に暮らしておられるけれど、やはりそれが現実になったとき、言葉では言い尽くせない悲しみに襲われる。

今日も、動かなくなったワンコを抱きしめて号泣されていた。

僕らにできることはもうないのだけれど、何かを言ってあげたいし、何かをしてあげたいという気持ちでいっぱいになる。

 

何の慰めにもならないかもしれないけど、僕の病院では頑張ったけれど亡くなってしまった動物達のおうちにお花を届ける。

動物達に関しては、どの子が頑張っていた、どの子が頑張っていなかったなんて境目はなく、みんな頑張っていたに決まっている。

だから、「頑張っていた飼い主さん」に、せめてもの気持ちとしてお花を贈る。

 

通常なら、お花は贈る方も贈られる方もうれしいものであるだろう。

だけど、僕の病院が買うお花に限っては、買いたくないお花なのである。

 

そして今日のワンコ、あれだけ飼い主さんに愛されていたんだから、間違いなく幸せだったと思う。

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この記事への返信
shuさん、はじめましてmonaです。
いつもshuさんのプログでは勉強させていただいてます。
えっと、実は同業者です(笑) 小さな病院ですがVTしてます。
あたしの病院でも、先月、飼い主さん共々とてもとても頑張っていたシーズーのムサシちゃん、ラブラドールのはっちゃんが亡くなりました。
原因は老衰と末期癌。 どうにかできるものなら治療してあげたいけれど、ここまでくるともう何もできません。
何年この仕事をしていても、やはり悲しいものです。

でも、その子の事を1番に考えた飼い方をされた飼い主さんは、悲しさと寂しさでいっぱいだけれども、『やれるだけのことはした』と、後悔はありませんでした。

その時に、いい飼い主さんに出逢えてワンちゃんも幸せだったな、と強い絆を感じました。
Posted by mona | 23:38:01, May 09, 2006
shuさん、本とに優しいですね。
お花を届けてくれる病院があるなんて初めて聞きました。
もちろん経験もしていないし・・・。
買うことがとても苦痛なお花ってあるんですね。。。
葬儀のお花くらいしか思ったこともなかったです。
きっとこのわんちゃんはとても幸せだったことと思います。
昔、何かの本で読んだことがあります。
犬には、飼い主に「仕返ししてやろ」とかの復讐する脳はないと・・・。
どんな飼い主さんでも、その子にとって一番愛しているのは飼い主さんなんだと書いてありました。
最後まで愛情を受けて旅立った子は、幸せだったと思っていると思います。
わんちゃんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。
shuさん、お疲れ様でした。
Posted by ちぇりママ | 01:58:01, May 10, 2006
獣医さんは、ある時はつらいお仕事ですね。
お疲れ様でした。<(_ _)>
本当に驚きました!
飼い主同士で知り合いのわんちゃんが亡くなったりしたらお花を贈ったりしますが、お花を贈ってくださる病院なんて聞いたこともありません。
わんちゃんはもちろん、ワンちゃんを亡くされた飼い主さんも、shuさんからのお花でどんなにか慰められたことでしょう。
悲しみの中にもやっぱり「嬉しいお花」だったのではないでしょうか?
Posted by ぽぽにゃん | 11:31:34, May 10, 2006
shuさん、昨日はブログにきてくださってありがとうございました。
ホントに間が悪く、病院嫌いの話を書いてて申し訳ありませんでした!
幼犬の頃は大好きだったんですけど、年を重ねるごとに怖くなったようです。

早速紹介させていただきました。
ありがとうございました!!

獣医のお仕事、大変だし、辛いことも多いでしょうけど
shuさんの助けを待ってる仔はたくさんいると思います。
これからも頑張ってくださいね!!
Posted by ノア母 | 12:13:46, May 10, 2006
monaさん、はじめまして、こんにちは。
書き込みありがとうございます。
同業者の方ですか〜。
本当に頑張ってた子たちが亡くなるというのは辛いですね〜。
もちろん一番お辛いのは飼い主さんなんですけど。
書いていただいているように、やれることは全部やったんだって後悔されないような治療やお付き合いができるように努力したいと思います。

ちぇりママさん、こんにちはー。
お花を贈られる病院はたぶんたくさんあると思いますよ。
そしておっしゃるとおり、僕もどんな飼い主さんであろうと、そのワンコたちが一番愛していて信じているのが飼い主さんだと思います。
だから僕も昨日のワンコはとても幸せだったと思っています。
ありがとうございます。

ぽぽにゃんさん、ありがとうございます。
少しでも飼い主さんの慰めとか癒しとかになればよいと開業時から行っています。
泣きながらお花のお礼を言ってこられる飼い主さんもおられ、返って悲しみを増幅させてしまうのかな・・、と思うこともしばしばあります。
でも、やはり心というか気持ちを大切にしたいと思っています。

ノア母さん、こんにちは。
早速ご紹介いただいてありがとうございます。
病院嫌いはある意味当たり前のことですから、どんどん書いてくださいね(笑)。
そしてお気遣いありがとうございます。
Posted by shu | 12:33:21, May 10, 2006
我が家の老猫が通院していた先生には手紙を頂きました。
先生の顔を見ると号泣しそうで…とeメールをした経験があります。
(一週間後に改めて挨拶に伺い、その数日後に『風と鈴』に出会って、またお世話になってます)
でも「悲しみが増幅しそうで」ではありませんでした。
時間外にいっぱいお世話になり全てを話してきた先生だからこそ、気持ちが素直になって涙が止まらなくなってしまいそうでした。
号泣してるヤツが病院に伺うのは ちょっと営業妨害?って気もしまして。
shuさんのお気持ちは必ず飼い主さんに伝わっていると思いますし、涙はいっぱい出ますけど『嬉しいお花』だと思います。
…上手く書けない自分がもどかしいです(泣)
Posted by わらび | 14:28:19, May 10, 2006
わらびさん、こんにちは。
ありがとうございます。
わらびさんのお気持ちは十分、十分伝わってきます。
今後もお花は続けていこうと思います。
ありがとうございます。
Posted by shu | 17:17:48, May 10, 2006
shuさんの病院からお花を差し上げるなんて、本当に暖かな病院ですね。
私もチビが死んだとき、棺に入れる花を買いに花やさんへ行きましたが
理由を話したところ「これもどうぞ」ってお花やさんが無料で花をたくさん下さったんです。
とてもうれしかったです。
きっと飼い主の皆さんもshuさんたちの暖かい心遣いにとても感謝していると思いますよ。
本当に、こういうお花を買わなくてすむのが一番ですけどね。
Posted by まきっころ | 17:35:32, May 10, 2006
まきっころさん、こんばんは。
ありがとうございます。
でも、実際は僕の病院だけでなく、けっこうたくさんの病院がお花やそれに代わることをしていると思いますよ。
友人の病院でもやはりお花を贈っています。
でもね、おっしゃるとおり、本当に買わなくて済むならそれが一番なんですよねー。
Posted by shu | 20:49:57, May 10, 2006
私もお花を届けてくださる獣医さんって初めて聞きました。
飼い主さんは悲しみでいっぱいでしょうが、少しは和らいだんじゃないでしょうか。
動物を飼っている以上絶対に遭遇する死。
その時になって、もっとこうしていればよかった、ああしてやればよかったと後悔のない様、毎日を大切に過ごして生きたいと日々思っています。
Posted by じゃすみん | 01:43:30, May 11, 2006
うちの先代は肥満細胞腫で去年の2月に亡くなりました。
ひと月たった頃、かかりつけの獣医さんからハガキが届きました。そこには先生の直筆で「ほんとうに体力の限界までよく頑張ってくれたと思います」と愛犬の頑張りを誉めてくれあわせて冥福をお祈り致しますとも記されてありました。そのハガキは今も大切にしまってあります。
お花にしろ、メッセージにしろ頂いたそのときは号泣してしまいますが、悲しみを共有してもらっていることで慰められました。
生きとし生けるものみないつかは死を迎えるわけです。
こんなことを書くと不謹慎かもしれませんが、漠然と恐れすら抱いていた死というものが愛犬の死によって生きているものの道筋の最後にある当たり前のものとして受け止めることができるようになりました。だからこそ毎日一生懸命ひたすら生きている二代目が愛しくてなりません。
Posted by サラ母 | 14:08:43, May 11, 2006
shuさんがいる病院にお世話になりたくなります。。。
確かにお花が来ないことが一番ですけど、それはありえませんからね。
病院で亡くなった経験がないのでわかりませんが、
最後まで治療してくれた獣医さんに頂くお花は、shuさんは"買いたくない花"でも私だったら"もらって嬉しい花"に変わると思いますよ。
Posted by シゲルのママ | 17:57:19, May 11, 2006
じゃすみんさん、こんにちは。
かわいがっておられる方ほど悲しまれたり後悔されたりすることが多いです。
避けられないことではあるけれど、ほんと、そういう悲しさを少しでも和らげてあげられるお手伝いができたらと思います。

サラ母さん、こんにちは、はじめまして。
肥満細胞腫と戦われていたんですね。
たいへんだったことと思います。
そしてかかりつけの獣医さんのこと、そして、死についてのこと、おっしゃるとおりだと思います。
二代目サラちゃん、愛されて幸せですね。
そういえば、僕らも飼い主さんたちからよくお手紙やお葉書をいただきます。
「お世話になりました。」、「ありがとうございました。」と書いてある一言に非常に励まされることが多いです。

シゲルのママさん、こんにちは。
もらって嬉しい花、減らすよう努力することは当然ですが、これからも続けていくつもりです。
ありがとうございます。

お花は目に見えるものですが、みなさんからの書き込みを見せていただくと、やはりなんといっても心とか気持ちが一番だな〜とつくづく思います。
Posted by shu | 11:17:55, May 12, 2006
ええっと・・・・GW遊びほうけていたので、せんせいのところに来られませんでしたが。。。どれにコメント書こうかなぁと迷ったぐらいに、いろいろなことがあったのですね。
私も悲しいけれど、「うちの子たちのお別れの時」のことを時々考えてしまいます。考えただけで発狂しそうなので、考えないようにはしているのですが。。。。
心構えなんかできないですよね。「その時」に、私が発狂したら、助けていただけますか?苦笑

手が痛々しいですぅ。大丈夫なんですか?獣医師も大変なお仕事なんですね。
以前、知り合いが、子猫を拾って、病院に連れて行くのに偶然立ち会ったのですが、やはり野良ちゃんだったので、診察室で暴れて、先生の手にひっかき傷が入ったんですよ。でも、shuせんせいほどのものじゃなくて、本当にちょっとなんですが。。。。そりゃあ、人間だから痛いと思いますし、声を上げるのはわかるのですが、その先生、痛い痛いといいながら、私の友人に対して「もう、野良猫は連れて来ないでもらえますか?」と、のたまわれました。
さすがの私もブチ切れてしまって、「そりゃーーー、ほんとーーに、すみませんでした!今からうちのかかりつけの病院に行きますので、お騒がせいたしましたっ!」と言ってとっとと、その病院を後にしたことがあります。
もちろん次の病院でも、大暴れしましたが、かかりつけの先生は、手に傷が入りながらも「いい子だねぇ。いい子だねぇ」とおっしゃってくれて、傷についても「こんなのしょっちゅうだから気にしなくていいんだよ」と言ってくださいました。
神様に見えました・・・(^o^)
Posted by みえこ | 11:38:33, May 14, 2006
みえこさん、こんにちは!
GW、遊ばれたんですねー、よかったですね。
僕は入院さんたちも退院したので、お休みをいただいていたのですが、まだ腰痛が治らず、結局ずーっと家に閉じこもっていました(笑)。

うではほとんど治りました。
かかりつけの動物病院の先生、良い先生みたいですね。
ここでこうしてブログを始めてみて、いろんな方に書き込んでいただき、いろいろな動物病院や獣医師がいるんだなあと、改めて感じました。
僕自身がとても勉強させてもらってます。
Posted by shu | 13:00:14, May 16, 2006
初めまして。
猫の3姉妹の被扶養者の麟太郎と申します。

数時間前に、猫トイレに少量の鮮血が付着した糞を見つけ、
夕診前にとりあえず、状況整理をしようと、ネットを検索していました。
そして、4月6日の記事にたどり着き、そのまま読みふけっていました。

昨年12月、腎不全でとらお(♂猫享年13才)を亡くした時、
お世話になっていた病院からお花が届きました。
とらおの家族をはじめ、皆、びっくりしました。
とらおの母は「ずっとお世話になったから、お礼の電話をしたせいで余計な気を遣わせてしまった。」
と気にかけていましたが、この記事を拝見し、
とらおにお花を贈ってくださった獣医さんの気持ちが、
やっと解った気がします。
ありがとうございます。
Posted by 川島麟太郎 | 14:59:18, May 27, 2006
川島さん、はじめまして、こんばんは。
とらおくん、きっと頑張られたんですね。
飼い主さんであるとらおくんのお母さんも頑張られたんですね。
きっとそちらの先生も僕と同じような気持ちでお花を送られたんだと思います。
このように書いていただいて、僕も嬉しく思います。
こちらこそありがとうございました。
Posted by shu | 00:21:23, May 28, 2006
こんにちわ。
私のうちでは13年生きた愛犬が僧房弁で亡くなりました。
2年治療して今年になりずいぶん弱って・・・咳が可愛そうで、苦しそうにしてる姿、声を思い出します。病気でなければまだ毛並みもよく、長生きできたのでは?ッと思いますが。勉強しましたが、あまりわかっていません。また時間のある時アップしてほしいと思います。
お花・・・悲しいときの花はきっと悲しさを倍増させるでしょう。愛犬のことを思ってくれた人が他にもいるんだと思って。
Posted by まー | 13:42:29, May 30, 2006
まーさん、こんばんは。
そうでしたか、咳が辛そうでかわいそうでしたね・・。
たくさんのワンコたちがこの病気と闘っています。
治る病気ではないのですが、少しでも進行を遅らせ、楽になってもらうために投薬します。
機会を見つけて書いてみようと思っています。
Posted by shu | 19:52:51, May 30, 2006


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