今日は犬のワクチンです。
まず、日本で、ワクチンで予防できる病気の種類ですが、
狂犬病はとりあえず別格として、
1.犬ジステンパー
2.犬パルボ
3.犬伝染性肝炎(アデノ1型)
4.犬アデノ2型
5.犬パラインフルエンザ
6.犬コロナ
7.犬レプトスピラ(数種類ある)
以上、7種類です。
1,2,3番までを予防するワクチンがコアワクチンで、4〜7番がノンコアワクチンとなります。
実際には、コアワクチンとしてよくネットや本にジステンパー、パルボ、アデノ2型と書いてありますが、アデノ2型ワクチンで1型の伝染性肝炎も予防できるからです。
日本にはアデノ1型ウィルスで作ったワクチンはありません(たぶん・・・)。
そこで、コアワクチンを中心にして接種すればよいわけですが、犬のワクチンは猫の場合と違って1種、3種、4種、5種、6種、7種、8種、9種と、たくさん種類あります。
ブリーダーさんやペットショップさんは一般の飼い主さんとはちょっと事情が違うため、きちんと予防される方は早めにジステンパーなどより危険なものを打たれることがあります。
一般の飼い主さんは、通常、動物病院では
5種(コアワクチンにパラインフルエンザ)
7種(5種にレプトスピラ2種)
8種(5種にレプトスピラ2種とコロナ)
などを薦められることが多いと思います。
それ以外にレプトスピラを3種類加えた9種や5種にコロナを加えた6種などもあります。
僕は基本的には5種を薦めますが、やはり、飼い主さんがよりたくさんの病気の予防をしたいと望まれるなら7種、8種も多く接種しています。
僕は以前はやはりたくさん予防できたほうがよいと考えており、7種、8種をメインにしていました。
実際、うちで一番出ているワクチンは8種です。
しかし、副作用のことなどを考えるうちに、どなたにも同じものを薦めるのではなく、生活環境にあったワクチンを薦めるようになりました。
例えば、レプトスピラは人畜共通の届出伝染病です。
ネズミなどの尿から排泄され、水たまりなど水の多いところで感染しやすくなります。
ですから、お散歩コースを聞いてみて、河川敷など水やネズミが多いところに行くワンちゃんとか、レトリバーのように水遊びが好きでときどき川に泳ぎに行くようなワンちゃんたちには7種や8種などレプトスピラの入っているものを薦めます。
もちろん、副作用の発現率は高くなることも説明します。
レプトスピラは発生があれば飼い主さんにもうつる可能性があるので、もちろんワクチンを薦めますが、レプトスピラであるという診断をすることがとても難しい病気です。
ですから、実際に発生があっても確定診断が取れずに報告されていないケースも多いかと思います。
http://ss.niah.affrc.go.jp/disease/fact/reputo.html
上記のURLは農水省の動物衛生研究所のレプトスピラ発生報告が書いてあるページです。
参考にしてみてください。
ただし、くどいようですが診断が難しいのである地域で発生が0件であっても、どれだけ信憑性があるかどうかはわかりません。
また、ショーに出したい人・行きたい人、ドッグランやホテル、トリミングなどに行かれる人などもその地域で流行っている病気があったら動物病院で相談して種類を考えられれば良いと思います。
あくまで基本はコアワクチン主体で、飼育方法、飼育環境などを加えて考えてください。
そしてやはり猫たちと同様、飼い主さんもある程度の知識を持たれた上で、地元の獣医さんに相談されるのが一番だと思います。
絶対に外に出ないワンちゃんたち(現実的には非常に少ないですが)についても猫で書いた理由で最小限のものは薦めています。
次回は接種時期についてかな。