血液は血球成分（赤血球、白血球）、血小板、血しょうからできている。
動物病院で血液検査をされると、よく肝臓の数値とか腎臓の数値とか言われる。
ようするに、血しょう、すなわち血液中の水分に含まれているいろいろな成分をみて、各種内臓の状態や体全体の状態を知ることができるものである。
血球成分をみることは、貧血や脱水などの評価になる。
今朝、朝一番で飛び込んできた生後１ヶ月そこそこの子ニャンは、体重240g、そして重度の貧血だった。
さらに下痢、嘔吐による脱水状態だった。
普通のにゃんこは血液（血球も水分もすべて含めたもの）のうち、赤血球が占める割合はおおよそ32％〜４５％くらいと言われる。
今朝の子ニャンはわずか８％だった。
口も舌も眼結膜もすべて蒼白。
すでにぐったりして目も閉じないで息をしているだけだった。
体温もかなり低い。
先日亡くなった子にゃんことイメージがダブってしまう。
病院内に緊張が走り、子猫に下痢・嘔吐をおこすもっとも怖ろしいパルボウィルス感染症（ウィルス感染によって白血球が少なくなり、免疫力の低下と脱水のため、２，３日で死亡する）が頭をよぎる。
何とか採った血液塗沫から白血球がたくさん見つかり、安堵する。
そして、ブドウ糖、ビタミン、水分を点滴。
さらに、輸血。
昼過ぎには横臥姿勢から自力で座れるくらいまでは回復したけど、夕方には痙攣発作が起こり、再び横臥姿勢に。
それから数時間、先ほどは自力で立ち上がり、フードを食べるほどに回復した。
スタッフにメールを送る。
スタッフからも「やったー、頑張れ。」と、エールが返る。
貧血はどこからきたのかまだ不明。
まだまだ助かるかどうかわからない。
気になること。
今回の子ニャンはノラではなかった。
飼い猫が赤ちゃんを産んでしまい、母猫の飼い主さんがわずか１ヶ月で母猫から離して今の飼い主さんに譲ったのだそうだ。
フードは「牛乳を与えてください。」と言われ、子ニャンの飼い主さんもそれを信じて牛乳とキャットフードで数日飼育していたとのこと。
毎日一緒にベッドで寝ていたが、今朝、起きてみたらベッドで冷たくなっていてびっくりして連れて来られた。
ワンコやニャンコに牛乳は与えないほうがいい。
牛乳中に含まれる「乳糖」を消化することが不得意だからだ。
日本人も不得意なので、牛乳をたくさん飲むと下痢をする人がいる。（僕もだけど・・・。）
ニャンコにはニャンコ用の、乳糖を除去してあるミルクが望ましい。
