アフリカに分布するカメレオンが、はるかアメリカ合衆国のハワイ州に帰化して暮らしている。
吻部に1本、両目の間に2本、前方に向けて合計3本の角を備えた、なんとも強そうなカメレオンがジャクソンカメレオンである。
実際この角は、オス同士の闘争の際に使われているようだ。ケニアやタンザニアの高山地帯に生息しており、四つのグループに分けられている。
そのうちのひとつはハワイに帰化しており、かつてはペットとして流通していた。
しかし現在ではハワイ州の政府により、その持ち出しは禁止されている。
生息地であるケニアやタンザニアでは、かつてペットとして乱獲され、その個体数は減ってしまった。現在その野生個体に関しては保護されており、日本で流通しているものはBCと呼ばれる繁殖個体である。
このカメレオンは胎生で、卵ではなく、直接幼体を産み落とす。その幼体の誕生の瞬間はまさに生命誕生の一瞬であり、その光景は産仔に立ち会ったものを魅了するようだ。
メスのカメレオンはオスを受け入れる状態にある場合には,婚姻色と呼ばれる独特の体色を示す。そしてオスと交尾の後、子供たちを半年以上お腹の中で育てる。
メス親は新たな命を宿すとみるみる体重が増える。そして産仔の際は落ち着きがなくなり、やがて羊膜にくるまれた幼体を産み落とす。幼体をくるんでいる羊膜は、床に落ちるという刺激で脱げるようだ。こうして10頭以上の子供を産仔するのである。そして産まれた子供たちには、小さいながらもすでにしっかりとした角がついている。
カメレオンを飼おうという愛好家は少なくない。なぜそれほどカメレオンは愛好家をひきつけるのだろうか?鮮やかな色彩か?はたまたコミカルな仕草か。カメレオンの仲間は樹上で暮らすものが多い。そのため木の枝をつかみやすいように四肢の指が発達している。とはいえ動きはスローモーだ。そんなゆったりとした飄々としたところや、コミカルな表情、なんといっても特徴的な目が愛好家の心をひきつけるのかもしれない。