米国の動物愛護団体People for the Ethical Treatment of Animals(PETA)は5月30日、世界的な飲料メーカーの米Coca-colaとPepsiCoが同団体の要請を受け入れて、法律によって動物実験が義務づけられている場合は除き、自社の商品開発において動物実験を禁止し、資金を出すことも禁じることに同意した、と発表した。
Coca-colaは、ラットを使って味覚の研究をしているVirginia Commonwealth Universityに2008年分まで研究費を提供していたが、同団体の指摘を受けて「大学と連絡を取って資金提供を中止した」としている。金額は明らかにしていない。
PepsiCoは、同社のスポーツ科学研究所Gatorade Sports Science Instituteを通じて動物実験をする大学院研究生に研究費を支給していたがこれを打ち切った。
PETAのBruce Friedrich副代表は「Coca-colaはモラルが良きビジネスにとって不可欠だと公言しているが、Coca-colaとPepsiCo…が義務付けられていないすべての動物実験を断念したことは、
他の企業も見習うべきことだ」と述べた。
日本の飲料メーカー、アサヒ飲料の広報によると、通常の飲料商品の開発には動物実験を実施しないが、同社の一部の「十六茶」や「パワーゴールド」など特定保健用食品は、国への審査申請にあたってその効果・効能について人でデータを取る必要があり、その前に効果のメカニズムを計るために動物実験を行うことがある、としている。
動物実験の是非を巡っては、日本ではまだそれほど議論となっていないが、米国の動物実験禁止への動きが日本に与える影響は
限定的と見られているそうです。