植物は移動能力がないので、種を散布するのに様々な方法をとっています。
タンポポのように風で運んでもらうもの、また水で運んでもらうものなどいろいろですが、中には動物に種を運んでもらう植物がいます。
オナモミ、アメリカセンダングサなどの種は動物の毛に付着して遠くに散布されます。
動物の毛に付着して運ばせる植物は、草本が多く野山の動物の通り道に生えています。
種はオナモミのようにかぎ状に曲がったとげがあったり、アメリカセンダングサのように逆針のあるとげがあったりしてくっつきやすくできています。
それからサルトリイバラやドングリなどのように鳥や哺乳類に果実を提供し食べてもらうことで、遠くに種を散布してもらう植物がいます。
サルトリイバラ、フユイチゴなどは赤い実をつけ鳥を誘い、果実といっしょに種を飲み込んでもらいます。果肉の部分は消化されるが種は消化されないようにうまくできていますので、種は糞といっしょに排出させることになり遠くに散布されることになります。
ドングリはリス、ネズミなどの動物を利用して散布します。
リスやネズミは餌の少ない冬に備えて自分のテリトリーに食べ物を埋めて貯蔵する習性があります。土に埋められた大半のドングリは食べられるが一部が忘れられてそのまま土の中に残ることになり結果散布されることになります。
このように動物は知らないうちに植物の種の散布に多大な影響を及ぼしています。