ユーモラスな姿で物語や企業のキャラクターにもなっているペリカン。
ペリカンのトレードマークといえば、なんといっても特徴的な大きなくちばしとその構造だろう。
ペリカンはヨーロッパからアジア、アフリカにかけて分布し、ペリカンの仲間は水鳥のなかでも、もっとも大きいといわれている種類でもある。ペリカンは寿命が25年〜30年と長く、飼育かでは50年以上生きた記録ものこっているようだ。
ペリカンのくちばしは、餌をとるのに適したように発達したものだろうが、下のくちばしの形状が独特でのどの部分が大きく膨らみ、ちょうど袋のようになっている。この袋は弾力性に富み、上手に魚などを掬い取ることができるのだ。
水もろとも掬い上げて、いらない水は後で吐き出す。ほかにも、体温を調節する機能もあるようである。夏など気温が上がってくると、その袋状の部分を広げて体温調節をするというものだ。ちょうどラジエーターとして機能するのだろうか?なかなかユニークな暑さしのぎの方法である。
ペリカンの一種、モモイロペリカンは、集団で狩りをすることで知られている。名前の由来は繁殖期になると体の色が桃色を帯びるからで、普段は白色をしている。そのため、英語名ではホワイトペリカンという。
このモモイロペリカン、魚の群れを見つけると数羽から10羽程度の集団になって、魚を取り囲むように列を作り、水中へとくちばしを出し入れしながら少しずつ獲物を追い込んでいくのである。仲間たちの間で発達した、チームプレイといえるだろう。これは子育てに関してもいえるようだ。集団で大きなコロニーを作り、巣作りをして、それぞれに卵を産んで子育てを行うようである。中には何万羽というペリカンのカップルで構成される、巨大なコロニーも誕生するようである。
群で生活するからだろうか、人間の管理下で誕生したペリカンに関しては、よく人に慣れると言われている。
ひと昔前の話になるが、山口県で人に良く慣れたペリカンが、各地で開催されたさまざまなイベントに参加しているほほえましい様子が報道されて、話題にもなったのを覚えている。