キツネ、タヌキ、イヌといったように、イヌ科の仲間は10のグループに分けることができるという。ヤブイヌもそのひとつだ。
原始的なイヌの仲間とされており、パナマからコロンビア、アマゾン流域といった南アメリカに分布している。
イヌと名前はあるが、実物をみるとなんともそれらしくない。
特に今日血統犬を見る機会がおおいため、なおさらである。
まずはその独特の体形。ずんぐりとした体に、脚が短い。
そして耳や尾の大きさや形もちょっと違う。イヌの名はあるが、似てそうで似ていないその微妙さからか、ちょっと気になるキャラクターでもある。
南アメリカの中央から北部に分布するヤブイヌ。5キロから7キログラム程度に成長する、原始的な犬の仲間とされている。とはいえこのイヌ科の動物に関しては、生態など実はまだよくわかっていないことも少なくないようだ。
ずんぐりとした胴体に短い脚をもった体形はこの動物特有のもので、この特徴のある体形が、名前の通り藪の中を行くのに適しているといえる。また丸くて小さい耳、10センチ弱という尾も、イヌというのにはちょっとに似つかわしくない。そして暗褐色の短い被毛で覆われた姿は、犬というよりイタチの仲間のアナグマをも連想させれる。
森林や草原で暮らしていて、数頭程度の家族からなる群れで行動する。こうした暮らし振りは、イヌらしくもある。
水辺を好み、泳ぎも得意といわれている。その裏づけといっていいのだろうか?
脚の指の間には水かきのようなものがあるのも特徴になっている。
その脚で残す足跡も、イヌのものとは明らかに違うようだ。魚や甲殻類、鳥、げっ歯類などを獲物としていて、時として自分よりも大きな最大のげっ歯類カピバラにも襲いかかるといわれている。主な活動時間は朝夕で、ほかの時間は眠っていることも多いようだ。
イヌと同様オスは片足を上げてオシッコをするが、なんとメスは逆立ちをしながら排泄するといわれている。文字にするとなんとなくわかったように気がするが、実際にはどのような姿になるのだろうか?というより、なんで逆立ちをしながらオシッコしなければならないのかがよくわからない。イヌでみられるマーキングのような行動なのかもしれないが、それであればオスの方がしそうなものである。
飼育下では、同じところをぐるぐると周回するところが観察されている。そのため飼育している環境には、獣道のような跡が残されるようだ。またヤブイヌの得意技のひとつとして、前進するのと同じスピードで、後ろ向きに走ることができるといわれている。
これもまた脚の短さゆえの特徴なのでしょうか?