犬の体の大きさが、種類や個体でまったく違う理由の一端が
わかったそうです。
米国立ヒトゲノム研究所などの解析で、成長ホルモンにかかわる
遺伝子の中の配列の一部が異なっていた。6日付の米科学誌
【サイエンス】に発表する。
小さい犬の代表チワワは、立っているときの地面から背中までの
高さ(体高)が約20センチ、体重2キロほどだが、大型の
グレートデンは体高約80センチ、体重は70キロほどもある。
犬は哺乳(ほにゅう)類の中で種類による体格差が最も著しいとされ、
原因はよくわかっていなかった。
グループは、数百人の飼い主から犬の血液などを集めた。
まず、同じ種類でも個体により体重に3倍もの差がある
ポルトガル・ウオーター・ドッグを手始めに、体格差と遺伝子の
違いを探った。
すると、インスリン様成長因子1というホルモンにかかわる遺伝子を
つくるDNAの配列の違いが体格の差に関係していることがわかった。
この傾向は143種3241頭の犬で確認された。例えばこの遺伝子の
特定の場所の塩基が、小型ではアデニン、大型だとグアニンという
具合に違っていた。
田名部雄一・岐阜大名誉教授は「このホルモンの分泌が高いと
体格が大きくなっているようだ。
同様の傾向は鶏などでも知られており興味深い」と話している。