最近では、匂いが少なく鳴き声のないペットとして、爬虫類を飼育している人も多いという。
カメ、ヘビと並んで爬虫類を構成するのがトカゲの仲間だ。とはいえその種類はというと爬虫類中最大でもあり、4000種類近くにも達するといわれている。日本ではいわゆるトカゲやカナヘビといった種類が一般的であり、いわゆるトカゲらしい体つきをしているものが主流だ。
しかし全世界的にみるとさまざまな種類が存在し、空中を滑空するもの、2本脚で走るもの、吸盤でものに貼りついて移動できるものなどが、あらゆる環境に適応しながら暮らしている。写真のトカゲもそのひとつで、和名はサバクツノトカゲという。すんでいるのはアメリカ合衆国西部からメキシコにかけての一帯。名前にあるようにまばらに草が生えている程度の砂地などに棲み、頭部には特徴的な角が並んでいるのが特徴だ。
アップにした頭部だけをみてみると、アニメのキャラクターにも登場しそうな雰囲気をもっている。体は扁平で、棲んでいる環境に紛れるのに適した姿をしているといえるだろう。その独特な雰囲気からペットとしても人気が高く、繁殖したものを中心にペットトレードも行われているトカゲ類である。大きさはせいぜい10センチ弱。さしずめ小さな怪獣といったところである。
ただし、その見かけのいかつさに反して性質はいたっておとなしく、攻撃をしてくるようなこともまったくないといっていい。
彼らの主食はアリ。アリといえばいるところにいけば無尽蔵にいそうでもあるが、それ自体は非常に小さい生物である。したがって栄養として摂ろう思ったら、ひたすら食べ続けることだ。実際に食性もアリに特化している部分があるようで、アリの動きにあわせて口を器用に使って次々と捕食していく。
やはりオーストラリアの乾燥地帯に暮らすトカゲに、モロクトカゲというやつがいる。こちらはさらに輪をかけて怪獣のようなトカゲで、全身をとげで覆われたような出で立ちをしている。ちょうどサバクツノトカゲと同じような環境に暮らしている彼らだが、面白いことにモロクトカゲもアリを専食している。さまざまな環境で暮らすトカゲたちの、生きていくための適応のひとつなのだろう。こちらもマニア垂涎のトカゲでもあるが、オーストラリアの固有種であり、政府によって厳重に保護されており、もち出しはできないそうです。