ナマケモノという名前が付くくらいほとんど動かないナマケモノ。
動かないその理由とは?
そのスローな動きの原因は、食べ物にあります。
ナマケモノは主に、中南米のジャングルに生えるセクロピアという樹木の葉を食べます。
このセクロピアには毒があり、他の動物は食べないので、一度セクロピアの木を発見してしまえば、えさを求めて他の場所に移動する必要がなくなります。
また、セクロピアを消化するには、毒を分解しなくてはならないので、かなりのエネルギーを必要とします。そのため、体の動きは最小限に抑え、食物の消化にエネルギーを使っているのです。
目の前にエサがあるので移動する必要がなく、動かなければ動かないほど食べる量も減って、さらに他の場所へ動く必要がなくなるのです。
他にも面白い特徴がいくつもあります。
ナマケモノの首は、できるだけ動かなくてすむように、270度もぐるりと回るようにできています。体毛は、常に木の枝に逆さにぶら下がっているため、他の哺乳類とは逆方向に流れるように生えています。
また、意外なことに泳ぎが比較的得意で、1分間に約10メートル、地上を歩くときよりも早く進むことができるのです。
ちなみにトイレは週に一回、わざわざ地上に降りて、穴を掘ってその中にします。ほとんどの動物が地面にやりっぱなしなのに、ナマケモノの意外とマメな一面を持っているようです。