頭が禿げ上がったハゲタカに、クチバシに袋をもつペリカンなど、
鳥たちの姿には時々ドキッとさせられることがある。
この鳥もそのひとつだろう。
何しろ睨みつけるような眼差しでたたずんでいる。
そして、基本的にあまり動かない。
全長120センチと小学1年生並の大きさに、まるで睨みつけるような
眼差し、そしてなんでも飲み込んでしまいそうな大きなくちばし。
見た目にはとても怖そうなこの鳥は、ハシビロコウという
コウノトリの仲間だ。
このハシビロコウの得意技は、ほとんど動く事もなく、
何時間でも同じ体制のままじ〜〜〜っとしていることだ。
動物園などではその「あまりの動かなさすぎ」っぷりのおかげで、逆に人気があるという。
ハシビロコウはアフリカの東部から中央部にかけての、パピルスの茂るような湿原に生息していて、
ハイギョなどの比較的大型の魚を主食にしている。
風貌だけでなく、その狩りの方法も変わっており、戦法はとにかくひたすら“待つ”。
水辺にたたずみ、ピクリとも動かずにじ〜〜〜っと待ち伏せしているのだ。
そして魚が水面に上がってきたところを、まるで魚に向かって体ごと倒れこむように襲うのである。
人間も忍耐が大事!?
風貌や生態がとてもユーモラスなこのハシビロコウだが、他の野生動物同様
個体数の減少が心配されている種類のひとつで、残念ながら生息環境の悪化により、数の減少が懸念されている鳥でもあるそうです。