【トウキョウトガリネズミ】
体長5センチメートル、体重は2グラムほど。
最小の哺乳類のひとつともいわれるのが、トウキョウトガリネズミである。
トウキョウトガリネズミは、日本では北海道に分布しているトガリネズミの一種である。トガリネズミはシベリアからカムチャツカ、北海道に分布しており、北海道に分布するグループはトウキョウトガリネズミという名前をもっている。北海道に棲んでいるのに、なぜトウキョウという名前がついているのだろう?実はこのトガリネズミを最初に登録した際の、採集地の記述に原因があったようである。
明治時代イギリス人によって採集されたトガリネズミは、大英博物館へと送られた。その採集地にエド(江戸)とエゾ(蝦夷)を誤って記録していたようなのである。そして後にエドを江戸と判断した日本の研究者によって、トウキョウトガリネズミの名前がつけられたようだ。江戸であるからその種類が東京で発見されてもよさそうなものだが、実際にはなかなか発見されず、彼らはなぞの哺乳類とされていた。そして北海道でその存在が発見されたことで、名前のなぞが解けたのである。
このトウキョウトガリネズミ、体長はせいぜい5センチ足らず、体重は2グラムというから本当に小さい。そして激寒の地で暮らす彼らは、ひたすら餌を食べ続けることでその小さな体を維持しているようだ。餌となるミミズや昆虫などを、休むことなくむさぼり食べているのである。
餌を食べることでエネルギーをとり続け、体から逃げていく熱を補充しているのだ。眠る暇を惜しむほど続けられる彼らの食事は、寒い北海道で生きていく上での必要な条件となっている。
このトガリネズミであるが、実はその小さな体に似合わず気が荒いことで知られている。自分より大きいくらいの生き物にも向かっていくのだ。また仲間同士が出会うとやはり闘争になるらしい。その方法というのがふるっている。仰向けにひっくり返って手足をバタバタさせて、キーキーと鳴き声を張り上げるというもののようだ。
勝敗はといえば、より派手なアクションをしたものの勝ちということだから、なんとも奇妙なバトルと思いませんか?!