日本ペットフード工業会内の、ペットフードの流通に関する規制を発表しています。
当協議会の目的は、不当景品及び不当表示防止について行う表示に関する事項を定め、一般消費者の適正な商品選択に資するとともに、不当な顧客の誘引を防止し、公正な競争を確保することを目的としています。
要するに、自社製品の品質・性能についてちゃんと正しい表示をしなさいよ。
あんたのとこだけ不当に市場をを独り占めしたらダメよ。ということを取り決めている機関です。
また、ペットフードの「総合栄養食」を証明するための試験基準を発表しています。
同協議会の給与試験の内容は、AAFCO(1998年版)に準拠しています。
ドッグフードの場合、成犬期・幼犬期・妊娠期・オールステージ用のプロトコルが用意され、それぞれの基準に従って試験を行います。
試験内容を大まかに説明して行きます。
例/成犬期・維持期又はメンテナンス用「総合栄養食」を証明するためのプロトコル。
- 最小限8頭の犬(1才以上)で適正体重の子を用意する。
- 試験は26週間続ける。
- 水以外は試験用のフードのみが栄養源でなければならない。
- 毎日のフードの摂取量を記録する。
- 試験開始前の体重と、毎週の体重測定と、試験終了時の体重を記録する。
- 血液検査をする。
- 試験前と後に健康診断を受ける。
- 医薬品を使用した場合は記録する。
- 試験中にあまりフードを食べない子は、供試犬数の25%を超えない範囲で試験から除く事が出来る。
- 試験中に死亡した犬は解剖して記録する。
これらの試験を経て、評価を受けます。
・栄養欠乏にならかったか
・病理的症状を起こさなかったか。
・何らかの理由で除かれた供試犬以外は試験を成功のうちに終わったか。
・試験を始める前の体重より15%以上減少していてはいけない。
・血液検査を行い、定められた基準値を下回ってはいけない。
本当はもうちょっと細かく記載されているのですが、ちょっと簡略化しました。
色々と細かく試験基準がありますが、給与試験の機関がたった半年間というのが疑問です。
たった半年間の間に供試犬の4分の1以上に異常が認められたり、死亡してしまうようなドッグフードなど造るメーカーなど存在しないでしょう。
という訳は、よっぽどひどいドッグフード以外はこの試験を難なく通り抜けるでしょう。
「給与試験」と聞くとかなり厳密な試験をしているような感覚を覚えますが、実際にはこんなものです。
完成したドッグフードを与えてみて、半年間でよっぽどの危険が発見されなければそのドッグフードは「総合栄養食」として認められて販売が許されるのです。
最近の犬の平均寿命は約10年〜16年です。
たった半年間の給与試験の結果で「安全なフード」として太鼓判を押されることに非常に疑問を感じます。
補足ですが、同協議会では「給与試験」の他に「分析試験」というもう1つの試験があります。
それは、実際に動物達にフードを与えずに、完成したフードの栄養素を定められた方法で分析し、その結果が同協議会の定める栄養基準値であれば、試験に合格したことになり「総合栄養食」として認められ、販売が許されるのです。
と言うことは、腐敗したひどい原料を使い、化学薬品で汚染された原料を使用して出来たフードでも、分析試験において栄養基準さえ合致していればそのフードは「総合栄養食」として認められ、堂々と「このフードと水だけで健康が維持できます」などと言って販売できるわけです。
同協議会の定める給与試験に合格しているドッグフードだからといって、栄養価がものすごく良い訳でもありませんし、ズバ抜けた良い原料を使用している訳ではありません。注意しましょう。
ペットフード公正取引協議会(ペットフード工業会)の給与試験に合格している。
というのは最低半年間は元気に生きて行けるでしょう...というくらいの基準だと言っても過言ではないでしょう。
また、ペットフード公正取引協議会(ペットフード工業会)の分析試験だけに合格しているドッグフードは、食べ物だと思わない方が良いでしょう。