良質なもので、ほどよく配合されている分には問題はないでしょう。
しかし、ペットフードの原料として使用されるトウモロコシについてのいい噂はあまり聞きません。
ドッグフードに少々含まれている分には問題はないのでしょうが、トウモロコシがフードの主原料となっている場合が多く見受けられます。
それはナゼでしょう?
理由は簡単です。肉より安いからです。
品質よりも安さを追求しているメーカーのドッグフードはほぼ100%トウモロコシが主原料です・・・・・
トウモロコシはイネ科の植物で、飼料などに使用される原料として実に50%を占めるほどの重要な穀物です。
デンプン質は高く、繊維はそれほどありません。飼料用としてアメリカから年間約1,200万トンが輸入されています。
≫ドッグフードに使用されるトウモロコシの実態!
トウモロコシの栄養価値は、米と比較した場合炭水化物の利用価値としては低い物です。
さらに、飼料やペットフードの原料にに回すしか利用価値が無くなったものが使用されます。
もしくは、品種そのものが違ったりします。
トウモロコシの主な品種は、
- デントコーン
- フリントコーン
- ポップコーン
- ワキシーコーン
- ポッドコーン
に分けられます。
ドッグフードの主原料となっているのはデントコーンが圧倒的に多いようです。
デントコーンは芯が長く、殻粒が多いので反収が多いのが特徴で主にアメリカで『飼料用』として栽培されています。
その他、食用トウモロコシの製造の際に出る『ホミニーフィード』という副産物が発生しますが、その副産物もペットフードに使われます。
みなさんが思い浮かべるトウモロコシは、1本100円くらいする立派なものかもしれません。
トウモロコシ1本といっても、実際に食べられる部分などちょっとではないでしょうか?
本当に良質なトウモロコシを使用したドッグフードがあったとしたら、そのフードはかなり高価なドッグフードになるでしょう。
でもなぜか安いドッグフードにトウモロコシが多く入っています。
≫トウモロコシ粉&コーングルテンミールについて<<
≫「トウモロコシ粉」について。
トウモロコシを挽いたあとに残る硬くて細かい部分です。
ふすま(皮表のこと、糖質・栄養価がある)や胚芽はほとんど、または全く含んでいない部分のことです。
ただの「カス」です。
少々栄養価は残っているようなので、肥料や飼料に使用される分にはかまいませんが、大切なペットに与える必要など全くありません。
≫「コーングルテン粉(ミール)」について。
コーンスターチやコーンシロップの製造過程で、ふすまが分離され、ほとんどのデンプンと胚が取り除かれたあとのものを乾燥させた物です。
これまた「カス」です。というよりほぼ「ゴミ」です。
「捨てるくらいならリサイクルしよう!」って感じのものです。
このように、『とうもろこし系』はよほど良質なものでない限り、そんなに期待できる素材ではないようです。
糖質やデンプン質、たんぱく質を求めるなら、炊いたごはんの残りでも上げていた方がよっぽど栄養価値が高く、消化吸収も優れています。(注・ごはんだけでは栄養が偏ります)
もし、心配であれば、トウモロコシを一切使わず、良質な米(白米、玄米)やオートミールなどを副原料として使用しているドッグフードを与えても良いかもしれません。
同じお金を払うなら少々高くても、安心できる素材を使用しているドッグフードを与えた方が良いでしょう。
≫皮膚に良くないトウモロコシ
トウモロコシには『ナイアシン(ビタミンB3)』を合成する必須アミノ酸である、『トリプトファン』という物質が少ないので、トウモロコシが主原料のドッグフードを食べ続けると、自動的に体内のビタミンB3が不足してしまいます。
このナイアシン(ビタミンB3)が不足することで起こる欠乏症として代表的なのが『皮膚のトラブル』なのです。
また、体内の有害物質のアセトアルデヒドの分解にもナイアシン(ビタミンB3)が使われます。
そのため、不足すると体内にアセトアルデヒドが蓄積してしまいます。
さらに、炭水化物や脂肪を代謝するための補酵素としても重要な働きをし、血中コレステロールをコントロールしたり、消化器系の健康維持や、ホルモンの合成など様々な生理作用と関係しています。
トウモロコシを主原料としているドッグフードの評判が悪いのはこういった事も関係しているのです。
ナイアシン(ビタミンB)の詳細はビタミン辞典=ビタミンB3(ナイアシン)についてをご覧下さい。
※余談ですが・・・
獣医の処方食は高額ですが、トウモロコシが主原料の場合が多いです。
獣医の処方食は高いけれども、『品質』が飛びぬけて良いわではないようです。
原材料などにこだわっているのではなく、今の症状を悪化させる原因と思われるものが入っていないだけの『引き算』であるだけで、改善させる目的の成分が含まれる『足し算』ではありません。
動物は本来自『然治癒力』というものを持っているので、症状が悪化しなければ治って行くハズ・・・というコンセプトで作られているのが処方食です。
治療を目的とした『クスリ』は入っていませんが、保存料などの化学物質は間違いなく入っています。(その量や種類はメーカーのみが知る)
内容から見て、処方食は異常に高いと判断せざるを得ません。
品質は『ホームセンターなどで売っているフードよりかは若干良い』くらいです。
(ホームセンターにもヒ○ズなら売ってますが・・・)
また、某フードメーカーからは日本獣医師会へ毎年献金が送られているので、日本の獣医の間でそのメーカーのフードが処方される割合が高いのです。
ちなみに、そのフードメーカーは現在日本が買収しています。
動物の医療機関に貢献する事が悪いとは言いませんが、企業と機関の『うまい関係』が成り立っているのは、ちょっとイヤな感じがするのは、私だけでしょうか?
事実、有名な某フードメーカーの処方食に疑問を抱き、納得できるフードを自らの手で探し出して、処方食として患者さんに勧めている獣医師も全国に沢山います。
例えば、荻窪のグラース動物病院の小林豊和先生のこんな話・・・
引用:
たとえば処方食の缶詰にしてもドライにしても、原材料の表記が『牛肉副産物』と書いてあるわけです。これは何なのか。
そのメーカーの担当の獣医さんが説明に来ますから、勤務医をやっていた時に何度か聞いてみたんです、
『これ、何なの?』と。
みんな答えないんですよ。まずその辺から正していかなきゃいけませんよね。『ペットの命を守る』(著・坂本徹也)ハート出版より。
どうでしょう?
処方食と呼ばれるものまでも、こんないい加減な世界なのです。
本当に安心して与えることの出来るドッグフードなど、ほんの一握りしかありません。
そのほんの一握りのドッグフードを探すか、思い切って手作りフードを与えるか、そのどちらかしか大切なパートナーを健康に導く方法はないのです。