これら『麦系』についても、一概に良い悪い・安全危険という表現はできません。
というのは、危険の物もあるし、安全なものもあるので、断定した表現は難しいのです。
ではまず安全で栄誉価値の高いもをご紹介します。
「麦」といっても沢山あります。
- 大麦
- 小麦
- ライ麦
- カムート麦
- オート麦
- スペルト麦
- オーツ麦
などなど...
その中でもドッグフードに使用される代表的な麦は、小麦・大麦・オート麦です。
よく聞く、オートミールというのは、オート麦の実の部分のことを言います。
麦の「カス」と間違われやすいですが、正真正銘の実の部分のみを砕いて粉状にしたものが「オートミール」と呼ばれています。
大麦・オート麦は比較的栄養価の高いものだと言われています。
大麦は消化吸収の大変よいアルブミン、グロブリンといったたんぱく質が豊富で、食物繊維も不溶性と水溶性繊維をバランス良くたくさん含んでいます。
オート麦は食物繊維、カルシウム、鉄分が豊富で、古代より薬草や麻薬中毒の治療薬として用いられてきました。
内部が何重もの外皮に包まれており、農薬を用いることなく順調に栽培することが可能な麦です。『ケーナインヘルス・カタログより』
≫危険な香りのする『麦』
次に安全とは言えない麦をご紹介します。
小麦粉は注意が必要です。
良質な小麦粉はパンや製麺などの原料として利用されていますが、ペットフードに使用される小麦粉はちょっと意味合いが違います。
ほとんどが人間の食品加工の際に出る「クズ」のかき集めで、それらが飼料やペットフードへ回されて「小麦粉」という分類で扱われています。
それらの中には、
・作物や雑草の種
・外皮
・もみ殻
・筋
・藁(わら)
・倉庫のほこり
・砂・泥
が含まれている可能性があります。
最近のドッグフードでは、「アレルギーを引き起こす」という理由で、小麦粉を使用していないメーカーも多数あります。
それらの麦の「クズ」にはいろんな危険が潜んでいます。
1995年には、アメリカ・カルフォルニアにある大手フードメーカーの「ネイチャーズ・レセピー」が、犬達の嘔吐と食欲減退という消費者からのクレームで、数千トンというドッグフードの回収したことがあります。その損失は金額にして2000万ドルに及んだそうです。
問題は菌類による中毒物質、ヴォミトキシンやマイコトキシキン(カビによってもたらされる有毒物質)が小麦を汚染した事によるものだったそうです。
その他のフードメーカでも同じような毒素のために、25頭の犬が死亡したこともあります。
(レセピーはその後、すばやくFDA(アメリカ食品薬品局)に介入を依頼して問題を解消したそうです)
この事件に関して腹立たしい記事があります。
引用:
『Dina Butcher(ノースダコタ知事 Edo Schafer のための農業政策アドバイザー )は、「ネイチャーズレセピー」でのヴォミトキシンが発見された事は、人に対してはそんなに危惧する事ではないと結論づけました。
その理由は「ペットフードに使用される穀物は高品質なものではないから」というものでした。』
『WMP/ペットフードの真実』より
ようするに、その事件はドッグフードのことだから、人間の食用の物とは関係ない。どうせ犬のエサに使う物など、そんなに品質が良い必要などない。と言うことでしょう。
犬を飼っている人から見れば、より安全で品質の良いものを与えたいと考えますが、犬を好きじゃない人からすると、犬のエサなんかどうでもいい。というのが現状なのかもしれません。
小麦ではなく、『オートミール』や『オーガニック大麦』、『全粒大麦』などと表示されているドッグフードを選びましょう。