「だって、だって怖いんだもん!!」
先週の日曜日。
サザエさんをやっているくらいの時間だったろうか。
散歩で近所の大きなマンションの前(裏?)を通り掛かった所、
高校生くらいの男が三人タムロっていた。
何を話しているのか知らないが、
(寒いのにご苦労なこった)と思いつつ、
横を通り過ぎようとしたら、
一人がフェイスにバスケットボールを投げて来た。
(当てるつもりは無かったようで足元に飛んで来た)
怖がりなフェイスは当然、かなり驚いてしまい、
飛び上がって逃げたのだが、
それを見て男共はゲラゲラと笑っていた。
早足で通り過ぎて顔を見てやると、
目に涙を浮かべて、ガタガタと震えていた。
目立つのがイヤなので、
あえて暗くなってから散歩をしているのに、
時々、こんな目に合うのは本当に困る。
ちなみに1号が散歩をしていると、
そんな事は無いようなので、
やはり、チビの女だと舐められるという事か。
そう思うと、私が散歩しない方が良いのか?
と、哀しい考えも浮かんでくる。
今日、そのマンションを通る道の角で、
フェイスは踏ん張って、イヤイヤをした。
どうしても「曲がりたくないの!!」と言う。
甘ちゃんフェイスだって、
記憶力が非常に優れていると言われるピレの端くれなのだ。
「そっか、曲がりたくないなら別の道を行こうね」
と、話し掛け撫でてやり、違うルートを通る事にした。
年末に唾を吐きかけられた時、
私は、フェイスは気付いていない、と思っていたのだが、
あの時の男に似た、
黒いロングコートの人物を見掛けると、
怯えるようになってしまった。
(ちなみに黒いショートコートの人物を見掛けると
「ととちゃ?!」と喜ぶ)
散歩はとても楽しい時間のはずなのだが、
怖い事が多過ぎて、
時々、ジレンマに陥るらしい。
家を出て、角の一歩を踏み出す時に、
微かだが躊躇いを見せる時がある。
怖い事は自分も克服できないので、
これ以上、フェイスが怖がる事や場所が増えないように、
散歩が平和に済むように、
心の底から祈るばかりだ。