本日は生協なり。
普段、さほど外に出る用事も無いので、
ご近所の奥さん達と久しぶりのダベリングをする。
フェイスだって最近では、短い時間なら、
やっとお留守番が出来るようになってきたのだ。
ちょっとは私にも時間をおくれ。
女同士の事だから、会えばなにやかにやと話は尽きない。
ご近所で生まれた赤ちゃんの話。
子供たちが通う学区の話。
髪型の話。
男の方から見れば、
「何とつまらない話を延々と…」
と、仰るような話を長々と立ったまま話していた。
(ま、男の人の話も結構馬鹿馬鹿しいの多いけどね)
40分も過ぎた頃から、「ヒンヒンヒン」「ピィピィピィ」
声が響きだした。
私の声が聞こえるからだろう。
一緒に出たくて堪らないのだ。
フェイスの数々のご狼藉を良くご存知の奥さん方が、
「お?そろそろ限界かな?」
なんて言い出した頃。
ガシャ・バシャ・ガリガリ
何の音でしょうね…?
次の瞬間、お隣の奥さんが極めてのんびりと言った。
「やーん、フェイスくーん」
彼女の目線の先を追って見ると、
2階のベランダに手を掛けて、
泣きながらこちらを見下ろす我が子の姿があった。
まるで海から上がって雪原を見渡す白熊みたいだ。
空気を入れ替えようと、網戸だけにして外に出たので、
どうやってだか解らないがこじ開けてベランダに出たらしい。
それにしても、
普通ならかなり驚かれても仕方の無い光景であろうに、
「あはははは、何してんの〜?フェイスくん」と、
フェイスならもう、何をしても驚かないと言った風情のご近所。
何となく(いや、かなり)有り難く思える。
限界ならば仕方ないと、フェイスを連れに入って、
「おいでー」と呼ぶが来ない。
どうしたのか見に行くと、何故かベランダから入って来れないらしい。
今度は入りたくて焦って、洗濯物ごと物干しを落としてくれた。
網戸を開けてやると飛び込んで来たが、
開ける前は、彼の身体の半分も開いてはいなかった。
「一体、どうやって出たのよ?」
なんて話は聞いてない。
その頃には彼の身体は、玄関にあった。
連れ出すと、奥さん達に、
「ママが恋しくなったんねー。まだ1歳だもんね〜」
「ホントにママが居ないとダメだね〜」
と笑われたが、そんなのは何処吹く風。
みんなと一緒なのが何より嬉しい大きな赤ちゃん。
まだまだ、乳離れはしてくれそうにない。
だって、淋しいんだもん!!