「僕くらいの大きさになるんだよ〜♪」
ちょっと前の話になるが、
某所で可愛いピレの子犬を連れている家族に会った。
優しそうなお父さん・お母さん。
小学生と幼稚園くらいの息子さん二人。
真っ白な子犬はふわふわのコロコロで、
ひと目見て(可愛がられているんだな)と分かった。
上の男の子が子犬を引き、
「お兄ちゃん、早く替わってよー!」
と、弟くんが訴えていた。
その内、私達の近くに家族で腰掛けたので、
「可愛いですね、何ヶ月なんですか?」
と、聞いてみた。
「3ヶ月を過ぎた所なんです。
注射が終わって、やっと外出してもいいって言われて」
ニコニコとお母さんが答えてくれる。
なるほど、まだまだ赤ちゃんだ。
「そうなんですか、本当に可愛いですねぇ。見飽きないですよね」
「見飽きませんね〜。やんちゃですしね」
「お子さんとも仲良しですね」
「そうなんです。もう喜んでねぇ」
「兄弟が増えたような感じですね」
「そうそう。本当に。あはははは……ところで」
お母さんは我が愛犬に目を移し、
驚愕の言葉を口にした。
「連れてらっしゃるワンちゃん、大きいですねぇ?
何ていう種類のワンちゃんですか?」
はい??
今、なんと仰いました?
私は驚くと脳が機能停止するので、言葉が出なくなる。
その時も驚いたのでしばらく黙ってしまった。
お母さんは心配そうに、
「え?あの…え?どうかされました?」
私はきっと怖い顔?か変な顔?をしていたのだろう。
しばらく考えた挙句、
「あのー、その子とこの子は同じ種類ですよ」
と答える。
今度はお父さんとお母さんが驚く番だった。
「えええっ?!!」
「グレート・ピレニーズでしょう?同じ種類ですよ」
「ペットショップではそんな事、聞いてません…。
こんなに大きくなるだなんて、パパ、どうしよう?」
「どうしようって、飼うてしもたもん、しゃあないやないか。
しゃあないけど、うーんこりゃデカイな」
別に捨てられたりはしないだろうけど、
何の知識も無いのか…と、
ちょっと心配になった。
そう言えば、
ピレを売ってるペットショップの店員が、
フェイスを見て
「やーん、大きな犬ぅ♪初めて見たぁ♪」
と言ったので転けそうになった時があったなぁ。
「男の子なら生後9ヶ月にもなれば、
この大きさに近付きますよ」
そう言ってそのご家族とは別れたが、
その後、あのご家族はどうしたかなぁ?
飼う方も、少しくらいは勉強してショップに行って欲しいし、
ショップの店員さんはちゃんと勉強するか、
伝える事はちゃんと伝えて欲しい。
そう思った。
何よりも
あの子がどうか幸せで居ますように…。