「おでこのマーク分かる?僕のチャームポイントなの♪」
1号が帰って来た午後9時過ぎ、
『ピンポーン♪』というインターホンの音。
「今頃、誰だぁ?」
「あ、頼んでたバッテリーが来たんだわ」
「ああー、そうなの」
冷静に話す私と1号をよそに、
我が家にはインターホンが鳴ると、
約1名、大興奮する人が居る。
言わずと知れたフェイスさん。
この時は1階に下りていたので、
下で「きゃ〜きゃ〜♪」と大喜び。
「フェイス・フェイス、静かにして…」
そう言いながらハンコを持って、
1階に下りて行った私の目に飛び込んで来たのは、
床に散らばる血・血・血!!!
「きゃああああああ!!!」
叫び声が自分の口から出ているのに、
一瞬遅れて気が付いた。
横には大量のうんpと、ちょろっとのちーち。
1号は、フェイスがうんpを広げてしまったのかと思い、
「おいおい、お前はまた何したん…」
と、ここで絶句。
どこから出血してるの?!
え?!
尿道?!肛門?!!
どこどこどこ〜〜〜〜???!!!
「とにかく、○川さんの荷物、受け取って」
1号が言う。
あ、そーだった。すっかり忘れてた。
フェイスは痛くも痒くもないのか、相変わらず、
「きゃーきゃーきゃー♪」
それを見て1号。
「頼むっ!!頼むからジッとしてくれ!今だけで良いからーっ!!」
外に出て荷物を受け取ると、○川の配達の方が、
「何か大変な時に来たみたいで済みません…」
ってきちんと言って下さったのに、
「あーはー、いえー…」
と、私はめっちゃ生返事。
今考えたらすっごい気を遣わせちゃったんだよね〜?
ごめんなさい、佐○急便さん。
家に入ると、フェイスの首を抱いて座っている1号に聞く。
「どこから出血してるのーー?」
「たぶん、ここ」
指差された場所は右後ろ足。
ホントだ。白い足の先が真っ赤になってる。
それでもまだ立ち上がり、
「なあになあに?お荷物なあに?!きゃー!♪」
と騒ぐフェイス。
その度に血が飛び散って、床が血のドット模様…。
「お願いだから止めて!!
止めろ!!」
両親に同時に怒鳴られて、
さすがにビックリしたようで、キョトンと小首を傾げてる。
「や〜ん♪遊ぶのぉ?」
と、喜ぶフェイスを二人で押さえ付けて、
赤い場所に消毒液をジャバジャバかける。
きれいになった所を改めて見る。
どうやら、爪を引っ掛けて割ってしまったらしい。
ほーーーーーー………っ
二人同時に深ーいため息が出た。
消毒液をかけてしばらくしたら、出血も止まった。
フェイスが私の方を見ている時に、
1号がそっと触れてみたけど無反応。
舐めるでもない。
つまり全く痛くないって事?!
「お前にとってはなーんでも無い事なんだねぇ?」
確実に寿命が縮まって、一瞬で老いた様な気がする〜。
「あ、うんp片付けなきゃ」
「あ、血も拭かなきゃ」
安心の後には現実が追い駆けて来る。
「ばい菌が入ったらイカンから2・3日は散歩はお休みだかんね!」
腹立ち紛れ?にフェイスに宣言すると、
後片付けに精を出す夫婦。
何にしても、何事も無くてよかった〜〜………。