ある夜にリビングで寛いでいた時、当時一緒に暮らしていた犬が突然窓の外へ向かってヒィンヒィン鳴きだしました。「どうしたの?」と聞けば私を見て、またヒィンヒィン。答えが分からないまま窓を開けてみると遠くから微かに子猫の鳴き声がしていて、あぁこれか…と、犬に促されるままに水路に落ちてしまっていた子猫を助けに行きました。
救い上げたのは、生後1ヶ月程度のキジ猫。どちらかと言うと無口な子で、ヤンチャでヤンチャでとにかくヤンチャで毎日大暴走の大暴れ。
先住の犬猫達はこの子猫を持て余し、ある子は困り果て、ある子は怒り、ある子は逃げ回って…それが追いかけっこだと勘違いされて、被害が堪えませんでした。
我が家の猫達はみんな自分の名前を理解しているし、呼べば嬉しそうに走ってきます。会話が多少成り立っていると思うのは飼い主の願望が思わせているだけなのかもしれませんが、表情が豊かで、目が合っただけで嬉しそうに鳴くし、抱っこが大好きで、とにかく甘えたです。
水路から救出したキジ猫も甘えたではあるのですが、基本体当たり精神。目が全く合わないし、名前を呼んでも無反応。表情筋がないのではないかと思うほど、見事に無表情。ほんのちょっとしたことで警戒して、まるで私が知らない人であるかのように怯えて逃げてきます。
これが、猫なのか。
すでに猫数匹と暮らしているにも関わらず、そう実感してしまうのは何故でしょう。
猫は「こういう生き物」と言う定義は存在しないのかもしれません。
初対面の猫と接するたびに、まるでその子が初めて見る猫であるかのような新鮮さを味わっています。 |