北京五輪も後半戦、盛り上がってきたが、多くの日本人選手を支えている新しいトレーニング法がある。スポーツ施設「ワールドウィング」(本社・鳥取)を主宰する小山裕史氏が考案した「初動負荷トレーニング」が、それだ。
取り入れているアスリートたちをザッとあげると、男子柔道・金メダリストの内柴正人を筆頭に、野球の岩瀬仁紀、マラソンの佐藤敦之、サッカーの本田圭佑ら五輪選手の他、日米通算3000本安打を達成したイチロー、200勝投手の山本昌(中日)、プロゴルファーの青木功など、そうそうたる顔ぶれだ。
一般的なトレーニングは最初から最後まで同じ負荷をかけ力んでやる(終動負荷)。
が、違いを簡単にいえば、「最初の動作だけに適度な負荷をかけ、神経と筋肉をうまく連動させて力を効率よく末端に伝えるトレーニング法」と説明するのは、全国10カ所ある施設のひとつ「ワールドウィング池袋」(東京)のコーチングスタッフ・渡辺寛史氏。
専用のマシンを使うので、体に無理なストレスがかからず疲れることがない。血流がよくなり、関節の可動域が広がるので、逆に体の疲れが取れるところも大違いだ。
瞬発力やパワーの向上などスポーツ効果は高いが、利用者の主体はアスリートよりもむしろ一般人。それぞれの身体状態に合わせたトレーニング内容で、もっとも期待できるのはメタボ対策やリハビリなどの健康効果だ。
「血圧を上げずに運動ができるので高血圧・糖尿病の改善には最適。筋肉を柔らかくして乳酸を除去し、肩こりや腰痛にもいい。代謝を高めてダイエットにも効果的です」(同氏)。運動が“汗ダクで辛い”は昔の話、効率よくメタボ対策で金を勝ち取ろう。