長い毛で覆われたからだからは想像できないが、ミルクには足が3本しかない。
生まれたときは、元気に生まれたのだけど、神経質なママのせいで、ぐるぐる毛に覆われたベットに厳重に寝かされたベビーのときのミルク。悲劇は、その上をママが踏んでしまったことで起きた。
生まれたての小さな前足には、ママの毛が絡んで、その上を踏まれたために、ミルクの前足はきつく毛が絡みつき、その足先の血を止めてしまった。
気がついたときには、彼女の生命力にかけるしかなかった。生後二日目に起きた事故で、彼女は前足を失った。
しかし、彼女はエネルギーあふれたうさぎだった。
不自由な体は、知恵でカバーしていった。顔も洗えない体、食べるのもうまくバランスが取れない。そのたびに彼女は工夫し、だれよりも先に成し遂げた。
やがて、大人になって、自分もママになったミルク。
子供が巣立ってしまったあとは、自由で優雅な毎日を送っている。
幼いときにもそうであったように、寝ている顔に自分の顔をぴったりとくっつけているのが好きなうさぎだ。気がつくと体の一部をかならずもたれかけさせている。
もし彼女が、大人になってこのアクシデントにあっていたら・・・・
ストレスに弱いうさぎの性格を考えると、今のようになっていたかわからない。
もしかすると、彼女にとっては、その体が当たり前なのかもしれない。
生きることをやめなかった彼女は、今日も元気だ。