その年も子猫がにゃーにゃー鳴くようになりまして、
今年も子猫が生まれたなと思っていました。
でも、その時はいつまでも子猫が鳴いているのでした。
夜も昼間も一日中鳴いていて、翌日もずっと鳴いていたのです。
さすがにおかしいなと思い、私の家と物置小屋のあいだにある
狭いスペースの間をのぞいてみると、ちいさな猫が一匹、
チョコンと座ってニャーニャーと鳴いていたのです。
小屋の中にある巣から一匹で出てきてずっと鳴いていました。
一目みるなり、親に何かあったか見捨てられたか、
という事情を理解しました。
さみしくておなかが空いて鳴いているのだろうと思い、
いらない皿にミルクを入れてさしだしました。
子猫はペロペロとミルクをのみました。
ミルクを飲んだ後からは、さみしげに鳴くことも無くなったのです。私がせっせとミルクを運んでいましたから。
