全力で、拒否!
同じネコ科のネコとトラ。
大きさこそまるで違いますが、外見や身体の作りはとてもよく似ており、
運動能力が高く狩りが得意なところ、群れを作らず単独行動をするところなど、
その生態もほとんど変わりません。
実際、ネコ科の動物たちは互いにとてもよく似ているため、
他の動物のグループと比べてネコの仲間を分類するのは非常に難しいそうです。
でも、ネコとトラには、身体の大きさ以外にとても大きな違いがありました。
ネコを飼っている人はよくご存知かもしれませんが、ほとんどのネコは水嫌い。
飼い猫として幼い頃から慣らされている場合をのぞくと、
ネコをお風呂に入れるのはそれはもう大変です。
硬直して、ピーン!!
嫌がっているところもなんだかとっても可愛くて、ネコには悪いですが思わず笑ってしまいます。
それにしても、なぜネコはそんなに水を嫌うのでしょう?
実は、ネコの被毛は他の動物と比べて油分が少ないため、濡れやすく、しかも乾きにくい。
俗に言う、猫っ毛ですね。
寒さに弱いネコは水浴びによって身体が冷えることを嫌うほか、水辺には天敵が多いこと、
毛が水分を含んで身体が重くなり逃げにくくなってしまうこと、
毛がぺったんこになり身体が小さく見えるため襲われやすくなってしまうこと、、、
ネコにとっては水浴びなんて、なんにもいいことがないのです!
一方、体重200kg以上、体長は2mを軽く超えるネコ科最大のトラにそんな心配は無用。
トラはネコ科にしてはとても珍しく、水浴びをする動物なのです!
アジア南部の森林や湿原に住むトラは、ネコとは逆に、
暑さから身体を冷やすために水に浸かるようになりました。
身体の大きいトラは水に濡れても身体が冷えすぎることもありませんし、
敵に襲われることもありません。
むしろエサを探して水に入ったり、泳いで獲物を追いかけたりすることもあります。
狩りの前に、身体の匂いを消すために水浴びをすることもあるんだとか!