今回の目玉曲はレコーディングがニュースになっていながらついに日の目を見ることがなかったエイコンとの「Hold My Hand」を初め、50セントやレニー・クラヴィッツといった共演曲。そもそも未発表曲集で、大物アーティストとの共演曲が出てくるというのが、さすが桁違いである。
そして、日本人にとっては、やはり「Behind The Mask」に驚かされた。1978年に大ヒットし、YMOがブレイクしたアルバム「SOLID STATE SURVIVOR」に収録のテクノ・ロックチューンである。
坂本龍一がアカデミー賞を受賞する前の1986年にエリック・クラプトンがアルバム「August」に収録していた。当時高校生だったぼくは、なんでクラプトンがYMO!? ととまどったものだが、実はマイケルが一枚かんでいたのである。
歌詞とメロディを補足したマイケル・ヴァージョンをアルバム「Thriller」の10曲目の収録曲としてレコーディングしていたというのである。ところが当時無名だった日本人ミュージシャンが舐められたのか、版権をよこせと上から言ってきたために坂本龍一はこれを一蹴したという。
その後、レコーディングに参加したTOTOのキーボードリスト、グレッグ・フィリンゲンズが版権をクリアしてこれをリリース、後にクラプトンがこれをさらにカヴァーしたのであった。
本当にレコーディングされていたのかも怪しいし、マイケル・ヴァージョンは一生聴くことがないと思っていたが、ここへまさかの収録となった。
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