普通の動物病院の診療日記

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shu

小さな町の動物病院の獣医師です。

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経鼻胃カテーテル

1203748901450425.jpgこの猫くんはある日突然動けなくなりました。

前日まで元気いっぱいで走り回っていたのにと、飼い主さんもまったく不思議そうでした。

 

見た感じでは首が痛そう・・。

レントゲンを撮ってみたけどはっきりしない・・。

2,3日痛み止めなどで様子をみましたが結局僕ではわからず、大学病院を受診してもらいました。

 

結果は頚椎の亜脱臼(涙)。

ギブスで首を固定されて帰ってきました。

 

しかし、首が痛いためほとんど動かせず食事が摂れませんでした。

注射器やスポイトで流動食を与えてもらうことにしていましたが、飼い主さんにはどうにも難しくてできないとのことでした。

 

そこで、沈静をかけてから栄養カテーテルを鼻の穴から胃に通します。

鼻の上と額に糸をかけてカテーテルがずれないように結びます。

写真のように注射器で流動食を与えます。

 

嘔吐して胃からカテーテルが出てしまうこともありますが、とりあえずは飼い主さんも猫くんも大きなストレスを感じないで食事を与えることができます。

カテーテルが細いため、薄い流動食しか通らないのが欠点です。

他には顎の皮膚を切って食道からカテーテルを挿入して胃まで入れることもあります。

これはもっと太いカテーテルを入れることができます。

 

猫たちは3日間くらい食事を摂らないと脂肪肝から肝不全をおこすことがあるので、どうしても食べさせなければならない時、このような方法もよく使います。

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この記事への返信
私、猫が2〜3日食事をとらないと脂肪肝から肝不全起こすこと知りませんでした。狩猟動物なので数日ご飯を食べなくても大丈夫かと思ってました。無知は怖いです。
今日は食べたくないカリカリだと断食するくらいがんこなさっちなので、家を空ける時は、いくつかのフードを置いていこうと思いました。
この猫ちゃんはなぜ首を痛めてしまったのかしら。でも病名がわかって良かったですね!しばらく不自由でしょうけど、お大事に。早く治るといいですね。
Posted by さっち | 19:10:13, Feb 26, 2008
さっちさん、おはようございます。
脂肪肝は太った猫さんのほうがより危険です。
猫はヒトや犬と違って、マラソンやエアロビクス運動が得意でない動物です。
例えばヒトが20分くらいエアロビクス運動を続けると体内のブドウ糖がエネルギーとして消費され、それを補うために脂肪がエネルギーとして使われ始めますよね。
エアロビクス運動で脂肪が減るのはこのためです。
脂肪はその場でエネルギーになるのではなく、肝臓へ運ばれてエネルギーに変わります。
絶食というのはエアロビクスのように短時間でエネルギーが消費されるわけではありませんが、心臓や呼吸する筋肉や内蔵はずっと動いているため、ゆっくりとブドウ糖が消費されてしまいます。
すると同様に脂肪がエネルギーになろうとして肝臓に運ばれていきます。
ところが猫さんたちは肝臓で脂肪をエネルギーに代えるのがあまり得意ではありません。
そのため、肝臓に脂肪が貯まりやすくなります。
特に太った猫さんは多量の脂肪が貯まる可能性がありますね。
野生の猫科の動物には太って皮下脂肪たっぷりというのはあまり存在しないでしょう。
病気で食べられないなら仕方ありませんが、痛みやストレスで食べられないときは、なるべく早く原因を取り除いてあげて食べるようにしてあげなければなりません。
強制給餌や胃カテーテルはこのような理由のために行います。
この子が首を痛めたのは原因不明ですが、ものすごく走り回る子だったので、おそらく壁か何かにぶつかったためだろうと思われます。
Posted by shu | 09:28:51, Feb 27, 2008
はじめまして。
我が家には生後2ヶ月になるアメリカンカールがいます。
この子は「みつくち」で生まれて、毎日3時間くらいおきに口からカテーテルを入れて授乳していましたが歯が生え始めてからはカテーテルを噛み切って飲み込んでしまうということが何度もあります。
生後2ヶ月になる「みつくち」という障害を持った仔猫に経鼻胃カテーテルという処置はできるのでしょうか?
Posted by まい | 20:44:39, Apr 14, 2008
まいさん、はじめまして。
たいへんですね。
病院には連れて行かれていますか?
僕は実際に診ておりませんので確定的なことは言えませんが、細いカテーテルなら可能だと思います。
鼻道が細くて入らなくても、顎のあたりの頸部を切開して食道にカテーテルを入れる方法もあります。
「みつくち」とは口蓋裂のことだと思いますが、場所や程度にもよりますが、まずは外科手術で整復できるかどうかを診てもらってください。
うまくいけばまったく普通に生活できるようになります。
Posted by shu | 07:26:38, Apr 15, 2008
早速の返信ありがとうございます。
外科手術の方は子猫が生後4〜5ヶ月になる7月〜8月までは行えないといわました。
今は1日7回程度口からカテーテルでミルクを入れていますがそろそろミルクの栄養だけというわけにはいかず・・・(泣)
生後2ヶ月の子猫には経鼻胃カテーテルをいれる方法と顎のあたりの頸部を切開して食道にカテーテルを入れる方法ではどちらが良いのでしょうか?
ちなみに、今家には子猫わ入れ6匹の匹の猫がいますが、どちらの方法でも大丈夫でしょうか?
また、食道にカテーテルを入れてしまうと口からご飯が食べれなくなってしまいますよね?
子猫が最近猫用のささみのお菓子は食べ始めたので食べれなくなるのは可愛そうかと・・・
Posted by まい | 22:12:36, Apr 15, 2008
まいさん、こんばんは。
そちらの先生によく話しをうかがってください。
まいさんがその子にどうしてあげたいのかもよくよくご相談なさってくださいね。
僕はその子を診ていません、まいさんのおうちの事情もわかりません、個別的なご相談はお受けできません。
まいさんが納得できるまで実際に診てくださっている先生とお話しをしてみてくださいね。
セカンドオピニオンが必要な時は、実際に診てくれる先生に相談してください。
もう少し頑張ってください、応援しています。
Posted by shu | 22:44:46, Apr 15, 2008


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