書く順番が悪くっていろいろ心配をおかけしました。
さて、毎日見に来ていた方が、連絡もなく3日間も来られませんでした。
まあ、土日を挟んでいたし、ご家族でお出かけでもされているんだろうと、平日になってからお聞きしていた携帯に電話してみましたが、「ただ今電話に出ることができません。」とのメッセージ。
お宅の方にも電話してみますが、こちらも留守電でした。
前回も書きましたが、動物病院ではこうして動物が置き去りにされたり、お金を支払っていただけないことが時々起こります。
今回も、その連れてきてくれた人を何となく疑いたくなるような・・、そんな自分も嫌だったり、またせっかく回復してくれているワンコの将来が不安になったりといろいろな気持ちが入り混じっていました。
基本的にはその人がとてもよい人だったので、きっと来られるだろうと信じてはいましたよ。
もちろん、この忙しい時期、朝からたくさんの動物達が病院を訪れます。
その子たちには笑顔で接しなければならないので、スタッフ全員、気持ちをコントロールすることが求められます。
まして、診断や治療、手術時には命がかかっているだけに、そのことだけに集中しなければなりません。
診療の合間にもう一度携帯に電話してやはり同じメッセージが返ってきて、どうしようかな・・・と思った時、スタッフが「来られました、来られました!」と駆け込んできました。
「おお〜!!♪♪」
その方はちょうど病院へ向かう車の運転中で、携帯に出ることができなかったとのこと。
4日ぶりに見たワンコはさらに元気さを増し、体重も少し増えていました。
ワンコはその人のことがわかるのでしょうか、その人を見てとても喜んでじゃれ付いて甘えていました。
まだ筋肉は薄っぺらでよたよたですが、それなりにその方の周りをぐるぐる廻っていました。
聞けば、僕にアドバイスを受けたとおり、ワンコの飼育書を買って読み、ペットシートやフード入れ、水入れ、サークルなどワンコを迎え入れる準備をご家族みんなでやっていてくれたそうです。
フィラリアの予防やワクチン、徐々に体重を戻していかなければならないこと、与えるフードの種類や量、与えてはいけない物など、いろいろ勉強しておられました。
それだけその子を飼うということに覚悟を決めてくださったことに心から感謝したい思いでした。
そしてその日、ワンコはご家族の待つ新しいおうちに帰って行きました。
本当に死に掛けていただけに、懸命に看病したその子を見送るスタッフはまるで我が子を手放すかのような(笑)。
これから先、元通りの身体に戻るまで、いろんなことがあるかもしれませんね。
また、新しい飼い主さんになられたご家族も、こんなはずじゃなかったと思われることもあるかもしれません。
逆にその家になくてはならない子として育てられて行くかもしれませんね。
動物病院においては、今回のようなことは決して珍しいことではありません。
ですが、今回あえて長い日記にしてみたのは、最初のかわいそうなケースが少しでも減って欲しいという気持ち、また、救ってくれた人や実際にそういう活動をしている人たちへの感謝の気持ちからです。
どーか、幸せになってくれますように。
他のたくさんの動物達も多くの飼い主さんたちも幸せでありますように!