今日は予定していた手術が中止になり、ちょっと時間ができました♪
続きです。
ワンコの便は砂や土の便から次第にフードの色に変わってきました。
ただ、表面に付着する血液はかなりの量でしたが、これはあまり心配していませんでした。
きっと食べ始めたフードが、新しい消化管粘膜を作ってくれているはずだからです。
ワンコはヨロヨロ、フラフラしながらも少しずつ歩けるようにもなりました。
フードを入れてやると喜んで近づこうとしますが、倒れたり這ったりしながら何とか口にしていました。
様子を見に来られるたびに泣いていた人も、笑って過ごされるようになりました。
それにしても連れて来られたときのワンコの血糖値は17mg/dl、通常は空腹時でも70〜80くらいです。
17というのは今までに僕が見た生きている動物の中では最低値でした。
肝酵素であるALT(GPT)やAST(GOT)も数百まで上昇。
これは肝機能不全というよりも、肝臓にも当然ながら栄養が行き渡らず、辺縁の方から壊死し始めていたと思われます。
そして貧血と脱水、毛はぼそぼそで皮膚はフケだらけ。
ですが、食べること=生きて行くことだとちゃんと身体はわかっていて、必死で食べようとしていました。
もう大きな山は越えたなーと感じていましたが、僕らは別の不安に悩むことになりました。
ワンコを連れてきてくれた人は毎日面会に来てはいろいろ話しかけたり、僕らに犬の飼い方などを尋ねておられたのですが、家族とよく話し合ってくださいねとお願いした翌日に来られなかったのです。
明日も来ますとおっしゃっていたのに、どうしたのかな・・・、と思っていました。
しかし、翌日もその翌日も来られず、電話すらありませんでした。
元気になっていくワンコと裏腹に何となく病院のスタッフに重たいムードが流れ始めました。
誰も口には出さないけど、もしかしたらこのまま・・・。
野良ちゃんたちを置き去りにされたことや、飼えなくなった動物を旅行に行くから預かってくださいと偽って置き去りにされたことなど、今までに何度となく経験していますが、今回のワンコは何となく特別な思い入れがあったので、みんな祈るようなきもちでした。