普通の動物病院の診療日記

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shu

小さな町の動物病院の獣医師です。

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口腔内の扁平上皮癌 その後

昨年7月に書いた、おじいさんとおばあさんが飼っておられるワンコ。

口腔内の扁平上皮癌で右側の下顎を切除しました。

手術時すでに腫瘍が顎関節を越えて上顎へと転移していることはわかっていました。

 

おじいさんとおばあさんはその後もそのワンコを一生懸命に介護してやりながら1年が経ちました。

フードを食べにくそうにしているときは一粒ずつ手で与え、どうしても外に漏れてしまう唾液は常に携帯しているタオルで拭いてあげておられます。

人が人を介護している姿となんら変わりがないように、ごく普通に介護しておられます。

 

昨年の12月、喉の奥のほうまで大きくなった腫瘍からの出血が止まらず、重度の貧血でほとんど立ち上がれなくなりました。

30kg以上あった体重も20kgほどになっていました。

それでもそのワンコは食事をしていました。

おじいさんとおばあさんはこの子が食べている以上は育ててやりますと言われ、家に連れて帰られました。

 

僕は正直、その日がそのワンコに会う最後の日だろうな・・、と思っていました。

それから2ヶ月たった先日、おじいさんとおばあさんがそのワンコを連れて来院されました。

ワンコが生きていたのにも驚きましたが、おじいさんとおばあさんが相変わらず自然体でそのワンコを介護しておられる姿に感動しました。

 

ワンコは腫瘍がさらに大きくなり、顔は変形し鼻血も出たり、喉の奥で気道を圧迫している腫瘍のため息をするたびにひゅーひゅーと苦しそうな音がします。

ですが、呼吸が苦しいというわけではありません。

視神経にも影響が出ており、すでに失明していました。

しかし、まだ食欲はちゃんとあるのです。

 

腫瘍に対しては何もしてあげることはできませんでしたが、ワンコを撫で、おじいさん、おばあさんと少しの間でしたがワンコのことや世間話などができました。

もしももしも、苦しむようなことがあれば相談に来てくださいと言いました。

できるなら静かに眠るように逝って欲しいとみんなが思っています。

 

おじいさん、おばあさん、そしてワンコ、何とも言えない気持ちでした。

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この記事への返信
自然体での介護...簡単そうで難しいことですよね。すごいなぁ。おじいさんとおばあさん。そしてそういうご家族のもとで過ごせるワンコは幸せなのでしょうね。
「ワンコを撫で、おじいさん、おばあさんと少しの間でしたがワンコのことや世間話などができました。」
shu先生の言葉やしぐさ、飼い主はどれだけ救われて癒されるか...。獣医さんって半分は動物のため、半分は飼い主の為に存在するような気がします。
私も獣医の先生のお話で、心が落ち着いたり、安心したtリ、元気が出たり。ある意味、獣医さんって心のよりどころなんですよね。
Posted by neko-kobuta | 11:14:29, Feb 28, 2007
優しい飼い主さんとshu先生に恵まれて幸せなワンコちゃんですね。動物は最後まで生きることをあきらめないと聞いていますし、私も昨年、エイズの猫を介護し、最期を看取りましたが、こちらが、正直、辛いこともありました。四六時中、振り回されているような気がしたこともありましたが飼ったのも私である以上、この子の命が尽きるまで、頑張ろうと思いました。先生も携帯番号まで教えて下さり、いつでも夜中でも良いから何かあれば連絡して来なさいと言って下さり、休診日も入院中の子らの世話に看護士さんが来てらっしゃるので、先生も都合がつく限り、病院にいらしてましたので、本当に助かりました。夜中に連絡することはありませんでしたが、大きな心の支えでした。きっとこのおじいちゃんとおばあちゃんもshu先生を心強く思っていらっしゃるでしょうね。苦しみや痛みのない最期であることを願っています。
Posted by リボンママ | 20:35:36, Feb 28, 2007
こんばんは〜読みながら感動して泣けてきました。
きっと、おじいさんおばあさんは、ワンコを一生懸命に介護
する事で、近い将来やって来る悲しい出来事を受け止める準備
をしているんでしょうね....。私もそうでした...。
多分shu先生とお話しする事で、頑張る力を補給する事が
出来るのだと思います。
きっと先生から癒しオーラが出ているのでは???
Posted by クロちゃんママ | 20:47:29, Feb 28, 2007
はじめましてm(__)m
時々読み逃げ犯です^^;
おじいさんとおばあさん、そしてワンちゃんのお話とても感動しました。自然体で接するおじいさんとおばあさんに脱帽です。私は昨年8月に悪性リンパ腫で愛犬13歳を亡くしました。病気発覚から1ヶ月・・・泣きましたぁ。泣かずにいようと思っても自然と涙が溢れて最近やっと涙腺の故障も修復しつつあります。まだ我が家には3匹のワンコがおります。後3回お見送りをしなくてはいけません。何があってもこのおじいさんおばあさんのように自然体で接する事ができるようにもっともっと大人にならなくてはと思いました。
Posted by バフィリン | 23:06:25, Feb 28, 2007
neko-kobutaさん、こんにちは。
ありがとうございます。
ほんと、なるべくお話をきいてあげたりしたいと思っています。
ですが現実的には満足できるだけの時間を割いてあげることはなかなか難しいんです。
少しでも、って思います。

リボンママさん、こんにちは。
このワンコももうそう長くはないのですが、おじいさん、おばあさんと一緒に最後まで暮らせることを嬉しく思います。
介護し、看取ることはとてもたいへんだと思いますが、最近の人の命すら軽くなりそうな事件が多い中、僕も暖かさをもらいました。

クロちゃんママさん、こんにちは。
おっしゃるとおり、おじいさんとおばあさんは近い将来のことをよくわかっておられるようです。
実際のその時にどうなるのかはわかりませんが、あのお二人なら自然と受け止められるような気がしています。
僕から癒しオーラ・・、うーん、どうなんでしょうねぇ。
匿名をいいことに、かなりいいかっこしてますので(笑)。

バフィリンさん、こんにちは、はじめまして。
HP拝見いたしました。
現在はかわいい3匹ワンコたちがいるんですね。
動物たちの寿命のことは、わかっていても見送らなければならないのは辛いことですね。
まして病気ならなおさらでしょう。
なかなか自然体になれるものではないかもしれませんが、僕もできるだけそうありたいと思いました。
これからもよろしくお願いします。
Posted by shu | 11:46:46, Mar 01, 2007
おじいさんとおばあさんにとってワンコちゃんは本当に家族の一員なんですね。ワンコちゃんもおじいさんとおばあさんの気持ちが分かるから頑張ってるんでしょう。我が家のブルース君は後六ヶ月で20歳になります。何度ももうだめかなと思いながらもいまにいたってます。以前は頑張れ、頑張れと言ってきたのですが、今はブルースがHappyで居られるだけ一緒に居ようねと話てます。ご飯が食べられる間は頑張って欲しい、眠るかのように虹の橋に旅立って欲しい、苦しみが少ないようにと思う気持ちはおじいさんとおばあさんと同じです。いつかはやって来る別れは本当に辛いものです。そんな中に、Shu先生に見ていただけるワンコちゃんと、お話を聞いて頂けるおじいさんとおばあさんもうれしく思っていらっしゃることでしょう。看護のお仕事は本当に大変なこと私も身にしみて分かっています。そして、それが出来るうれしさも。(後悔のないこと)どうぞ、おじいさんとおばあさんご自身のお体も大切にされてください。
Posted by 猫のおばちゃま | 14:42:06, Mar 01, 2007
人が人を介護しきれずに
悲しい事件が起きている中
こうしてごくごく当たり前の事として
日常の一部としての介護が行えるって素敵ですね。
Posted by Ganbaruneko | 18:17:38, Mar 01, 2007
猫のおばちゃまさん、こんばんは。
おじいさん、おばあさんへのお気遣いありがとうございます。
残された時間、本当にHappyでいてくれたら、と思います。

Ganbarunekoさん、こんばんは。
Ganbarunekoさんも猫ちゃんも頑張っておられるんですもんね。
世の中、悲しいニュースばかりではないはずですから♪
たくさんの素敵に会いたいです。
Posted by shu | 21:41:26, Mar 01, 2007
私も昔、シェパードを自宅で看取りました。
16歳でした。
自宅で家族に見守られながら、最後に小さく鳴いて息をひきとった場面は、今でも忘れることができません。

父親も自宅でぎりぎりまで介護していて大変だったけど、父親と私の距離が一番近づいた期間でした。

さっちがこれから年をとり介護が必要になったとき、どうやって対処していかなければならないか、考えてしまいます。
さっちを看るのは私しかいないので。
仕事と介護との両立をどうするか。

おじいさん、おばあさんはごくごく当たり前に自然に介護していらっしゃる、そのごく自然が犬には大きな負担がなく過ごせているんでしょうね。
特別なことではないのですものね。
おじいさん、おばあさん、わんちゃんもどうぞお大事にしてください。
Posted by さっち | 09:10:01, Mar 03, 2007
涙がでますね、、、自分達もいつか直面するかもしれない
現実です。飼い主さんが高齢にも関わらず、ワンコを
家族として深い愛情で介護なさっている事に感動しました。
むかしの方は比較的ペットというよりも「番犬」と考える
方も少なくないので(特に私の住んでいる近所は)。

ワンちゃんはきっと愛情というお薬のお陰で
頑張っているのでしょうね。何かの時にはShu先生
お力になってあげてくださいね。ワンコが最期の時まで
苦しむことなく、飼い主さんとの時間を過ごせますように
祈っています。
Posted by mmk | 15:18:57, Mar 03, 2007
うちのみーちゃんは食べなくなりました。
腫瘍が肺を圧迫して、呼吸も荒くなるばかりです。

獣医さんに最後の相談をする時期が来てしまいました。

私の人生の半分を一緒に過ごした子を苦しめたくありません。決断も出来ません。
でも、私にしてあげられるのは「決断」だけなのかな。
と思ったりもします。

って愚痴ってすみません。
Posted by みーたん | 18:53:00, Mar 03, 2007
13歳になったばかりの愛犬を扁平上皮癌で亡くしました。
突然口から血を流し、口の中を見ると上あごからの出血。下あごなら手術することができるが上あごだったので、余命は年内・・・と言われましたが、出血してから3週間で亡くなってしまいました。その間おじいさんおばあさんのワンちゃんと同じように貧血になり、大学病院で輸血もし、酸素ハウスをレンタルしたりしましたが、ワンちゃんと同じように血を流しながらもご飯は食べていました。最期の晩御飯もしっかり食べて死にました。あっけなかったです。

年内といわれたときに、呼吸が苦しくなったら安楽死も考えなきゃいけないと先生に言われましたが、そのワンちゃんは苦しいときもあるかもしれないけど、おじいさんとおばあさんの優しさで痛みも苦しみも乗り越えられるのかな・・・
でも、昨年の7月からは凄いですね。
Posted by たーさん | 02:29:06, Mar 04, 2007
さっちさん、おはようございます。
お父さんとの距離が一番近づいた時期・・、つらい中にもそのように思えることは、語弊があるかもしれませんが、ほんの少しだけ救われるような気がします。
これからのお仕事との両立、たいへんかもしれませんが、頑張ってくださいね。
おじいさんたちへのお気遣いありがとうございます。

mmkさん、おはようございます。
そうなんです、この地方もかなり考えの古い田舎なのですが、ご年配のご夫婦が我が子のように普通に介護しておられます。
ほんと、愛情ですね・・。

みーたんさん、おはようございます、はじめまして。
返信が遅れてすいません。
いろいろたいへんなようですね・・。
簡単なようで一番たいへんなのが決断ですよね。
決断の助言や意見を僕らに求められる飼い主さんも大勢おられます。
冷静に客観的に状況を見ることができるのも僕らだけかもしれません。
先生とよく話し合ってみてくださいね。
辛いお気持ちお察しします。

たーさんさん、おはようございます。
みなさん、いろんなご経験をお持ちですね・・。
書いたのは7月の日記ですが、手術したのは3月なんです。
ちょうど1年が経ちました。
できるなら、苦しまずに・・、と思ってはいますが、呼吸などが苦しくなるようなら僕の手で、とも思っています。
僕らにとっても辛い仕事です。

こうしてお返事を書きながらも、昨日はまったく別のワンコの安楽死をしました。
その子も肝臓癌の手術後1年間を幸せに暮らしました。
再発ではなく、1年前からわかっていた腎不全でした。
落ち込む間もなく予約の去勢手術、急患で大きなぬいぐるみを飲み込んだワンコの胃切開、さらに尿閉の猫くんの急患などさすがに昨日はぐったりでした。
Posted by shu | 09:39:39, Mar 04, 2007
お医者さまは大変ですね。
命の重さ、ひしひしと伝わってきます。
病気、事故、ホントに子供同じくらい気を使ってあげなければですね。
ご苦労様でした。

昨日、予防注射へ行ってきました。
半年ぶりに定期検査で、多少白血球が少なめだけど異常無しという結果で安心しました。
年々老いていくさっちを見ていると、とても心配になります。
狂犬病のことを先日書きましたが、人畜どちらも感染する病気である以上、犬猫の差はないから犬は必須で猫は選択になっているのは行政の認識不足なのでしょうかね。
今回は狂犬病は接種していないのですが、狂犬病の予防注射は1年毎がいいのでしょうか?
ここは共生住宅なので、自分を守るためにも他のペットを守るためにもなるべくきちんとした対応をしていきたいと思うし、他の方もしていって欲しいですね。
Posted by さっち | 15:49:12, Mar 04, 2007
私も「自力で御飯をたべらるうちは大ジョブ」と思うかもしれません。
「自力で食べられないなら…強制給餌をすることを選ばないかもしれません」
「今でも元気ですよ。どうです〜すごいでしょ?」と思いながら獣医さんに自慢しに見せに行きたいです。

我が「愛猫ズ」は介護とか延命には程遠い年齢&境遇ですが、考えないわけではありません。
その時どうしようか?フト浮かぶ疑問ですが、答えは非常に難しいです(泣)

Posted by ぽん太 | 23:07:37, Mar 05, 2007
さっちさん、こんばんは。
お気遣いありがとうございます♪

狂犬病予防接種については賛否両論があったり、また、最近ではネット上にも見られるように獣医師会や製薬会社等、一部の人間の利益のために設けられている法律であるとか、様々な風評が飛び交っています。
それをここで話し合うにはなかなかたいへんなことになってしまいますね。
僕個人としては前にも書きましたが、本当に抗体価が3年以上持続するなら、1年でも早く3年に1回の接種でいいような法改正をしていただきたいと思います。
そのためには行政の研究機関、大学、獣医師会、獣医師、飼い主さんたちの動きが必要だと思います。
現在の日本の法律上、犬の飼い主さんたちは毎年接種させることが義務ですよ、としか言いようがありません・・・。
抗体価上は・・・、別でしょうけど、日本にはまだエビデンス(証拠)がありません。
Posted by shu | 23:19:34, Mar 05, 2007
ポン太さん、こんばんは。
おっしゃるとおり、難しい問題です。
誰もが普通なら動物達は飼い主さんである自分よりも先に逝ってしまうということを知っておられます。
ですが、ほとんどの方の頭の中は、十分に生きて(平均かあるいはそれよりも長く生きて)、天寿を全うして穏やかに逝く動物達の姿がほとんどだと思います。
それが、病気や事故などのため天寿ではなくなりそうな時、本当につらいお気持ちになられるんですね。
わが子のように、家族のように思っておられる方ほどそれが強いからよけいにつらいです。
はあ〜、複雑ですね・・・。
Posted by shu | 23:27:29, Mar 05, 2007
初めまして、扁平上皮癌で検索し、こちらにたどり着きました。
7月の日記も読ませていただきました。
我が家では、現在フェレットを飼っておりますが、扁平上皮癌です。骨にくっついて再発してしまい、アゴごと切除…の手術をする予定ですが、なにぶん主治医もフェレでは初めてのことで、やってみなくちゃ分からない状況で、不安です。(もちろん先生を信頼しておりますが!)
フェレットの扁平上皮癌で、もし、何か情報をお持ちでしたら、お教えいただけるとたいへん嬉しく思います。
この日記にあるような、すてきな飼い主になれるよう、頑張りたいと思います(会社員なので、その後のお世話がどこまでできるか心配なのですが…)
どうぞそのわんちゃんが、穏やかに過ごせますように!
Posted by 夜生 | 09:23:14, Mar 08, 2007
初めまして、ワクチンことでここに来ました。お陰様で色々勉強になりました。猫を3匹飼っていてそのうち2匹がもうすぐ、1年目のワクチンの時期なのですが今回はまだ1歳なので受けさせようと思います。その後はまた色々勉強してからにします。またお邪魔させてくださいね、これからも宜しくお願いします。ワンちゃんの飼い主の老夫婦さん、飼い主の鑑ですね。ワンちゃんもきっと幸せですよね。
Posted by アリエス | 11:14:03, Mar 08, 2007
夜生さん、こんにちは、はじめまして。
扁平上皮癌の再発とのこと、ご心配ですねー。
僕はフェレットの扁平上皮癌を自分で診た経験がありませんが、教科書やエキゾチックの専門の先生のお話からすると、やはりまずは外科手術が適用となり、夜生さんのフェレくんんのような顎の骨に浸潤しているようなケースでは骨を大きく切除(顎ごとなど)するのが薦められています。
抗癌剤の効果報告が乏しいのですが、ある種の抗癌剤が効いた(症例は少ないらしいですが)という報告もあるそうです。
これは僕が論文を読んだわけではなく、エキゾチック専門の先生が獣医師用の掲示板のようなところに書いておられました。
かかりつけの先生もご存知かもしれません。
他にも少し調べてみましたが、僕の持つ専門書にはそれ以上の情報はありませんでした。
うまくいくように祈っています。
わんちゃんのこと、ありがとうございます。

アリエスさん、こんにちは、はじめまして。
ワクチンのことはいろいろ悩ましいところですね。
それでも何も考えずに病院任せで接種されるよりは、ご自分で考えて勉強されて打たれるほうがずーっと飼い主さんとして立派ですもんね。
正しい情報がどんどん公開されて、みんなが有益に使えるようになって欲しいものです。
おじいさんたちのこと、ありがとうございます。
Posted by shu | 18:02:54, Mar 08, 2007
はじめまして、
昨年の、この記事よりお邪魔させて頂いておりました。
愛犬が、口腔内悪性黒色腫(メラノーマ)に侵され、泣きながら先生の記事を見つけました。
扁平上皮癌とメラノーマよく似ているように思いますが・・・???
うちの子は、はじめ米粒ほどの小さな出来物が歯茎に出来、それを切除しても再発、又、それを切除して再再発と、切っても切っても2日程で見る見る大きく増殖、口からは止まる事無く出血し最後は、のどの奥まで増殖、体中にも転移し全身が麻痺してしまい、昨年、虹の橋へ逝っちゃいました。
免疫療法をしていたのですが・・・
癌の方が勝ちゃって・・・
それはそれは凄まじい癌でした。
その時の様子ばかりが思い出され、元気だったあの子が今、私の手の中に居ない事が信じられないでいます。

この優しいおじいさんとおばあさんのワンちゃんが、ご飯を食べていてくれる事がとっても嬉しいです。
どうかどうか少しでも穏やかな日を送れますように・・・
お祈りしています。
お世話をしてる日々・・・幸せでした。
Posted by tomozou | 16:26:18, Mar 10, 2007
tomozouさん、こんばんは、はじめまして。
メラノーマ、たいへんな思いをされたんでしょうね・・。
扁平上皮癌も悪いものですが、一般にメラノーマはもっと悪いです。
おつらいお気持ちお察しします。
おじいさんたちのこと、本当にありがとうございます。
たくさんの方から応援をいただきました。
おじいさんたちにうまく伝えることはできないかもしれませんが、もしもまた来られたら、なんとかみなさんのお心遣いを伝えたいと思っています。
ありがとうございます。
Posted by shu | 22:41:15, Mar 10, 2007
はじめまして。
以前から時々伺っていました。

おじいさん、おばあさんのわんこに対する、静かなやさしさとケアに、あらためて目からうろこでした。
実は、レナ(ラブラドール)はメラノーマで、現在、免疫療法中です。どんなことも受け入れながら、この一瞬、一瞬を大切にしていきたいと思いました。

shu先生が、このわんこのことを書き続けてくださったこと、感謝します。
Posted by レナ・ママ | 09:47:24, Mar 15, 2007
レナ・ママさん、おはようございます、はじめまして。
そうですか・・、メラノーマですか。
免疫療法がレナちゃんに効果があるよう、そしてレナちゃんとレナ・ママさんが一瞬、一瞬を大切にしながら少しでも幸せであるよう祈ってますね。
Posted by shu | 11:15:07, Mar 16, 2007
SHu先生、励ましありがとうございました。うれしかったです。

わからないことがあり、教えていただけたらうれしいのですが・・・・。

●胸腺ってどこにあるのでしょうか?
●胸腺は人間の場合、加齢にしたがって縮小し脂肪化すると聞いたのですが、わんこの場合は、どうなのでしょうか?

実は、現在受けている免疫療法ですが、樹状細胞ワクチン療法をうけています。「樹状細胞」について調べているうちに、「胸腺」という言葉にぶつかりました。
Posted by レナ・ママ | 12:56:28, Mar 17, 2007
レナ・ママさん、おはようございます。
胸腺は胸腔の中、心臓より少し頭側にあります。
犬の場合も生後5,6ヶ月くらいから次第に小さくなりますが、無くなるわけではありません。
樹状細胞ワクチン療法ですかー。
一般の個人の病院ではなかなかできない治療ですね。
頑張ってくださいね。
Posted by shu | 08:47:49, Mar 18, 2007
お礼が遅れ、失礼しました。
胸腺のこと、教えていただきありがとうございました。
また、励ましてくださり、うれしいです。

レナの今までを、振り返って考えることがあります。
レナは、今11歳ですが、9歳の頃から脂肪種がふえ、大きくなるものもありました。この時期にリンパ球の役割を理解し、βグルカンなど、時々与え、リンパ球の増殖を促進し免疫力を保っていれば、悪性腫瘍になる確率がすくなかったのではないか・・・と考えることがあります。

shu先生は、どんなご意見をおもちでしょうか?
Posted by レナ・ママ | 23:41:18, Mar 24, 2007
何度も書き込みをし、すみません。
以前、質問させていただいた「胸腺」についてです。

加齢とともに縮小していく胸腺をいい状態にもっていく方法などあるのでしょうか? 投薬、療法、食事療法など、教えていただかたらうれしいです。
Posted by レナ・ママ | 12:37:32, Mar 26, 2007
レナ・ママさん、こんにちは。
3日ほどお休みを取っていたのと、そのため本日とても忙しくなり返信ができずにいました。

人間でも現在多くの人々がβグルカンやサメ軟骨など、いわゆるサプリメントを飲んでいますね。
飲んでいる場合と飲まない場合で癌の予防性にあきらかな有意差があるのかどうか、現在知識を持ち合わせておりません。
しかしサプリメント類を信用するなら飲ませておいても少なくとも損はないと思います。
僕は自分の猫には何も飲ませていませんが、サプリメント類を信じていないと言うわけではありません。
また、胸腺をよい状態に持っていく方法があるのかどうかは僕にはわかりません。
その必要があるのかどうかもわかりません。
わかりませんが、現在そちらの先生が樹状細胞ワクチン療法を行うといわれているのであれば、当然なんらかの効果を見込んでのことだと思いますよ。
僕はレナ・ママさんのワンコを診たことがありません。
ですから、申し訳ありませんが具体的なコメントは差し控えなければならないと思います。
納得できるまでそちらの先生と話し合ってみてくださいね。
Posted by shu | 18:21:30, Mar 28, 2007
お忙しい中、お返事いただき、ありがとうございました。
予防医学について、興味がありお尋ねさせていただきました。
がんという新生物を宿してしまうことは、飼い主としては大変つらく、本人の治療もつらく、最後も残酷な状態になる例も多いようです。少しでも、多くのわんこたちが、宿さないよう、良性の段階でとどめられるものであれば・・・・と願うばかりです。

現在、受けている治療に対し不安はなく、レナは大変良好な状態を維持しています。
特別な免疫療法であっても、大学動物病院とクリニックの連携で、一般のクリニックでも可能な免疫療法、免疫力を高め、予後を改善し延命できる何かが早くみつかる日が、早くくることを願ってやみません。

すみません。大学動物病院に行くたびに、多くのがん患者に会い、ここにきているわんこは、ほんの一部なんだと思うと、胸がしめつけられてしまいます。
先生のクリニックでも、免疫療法が受けられる時代が近いことをねがっています。
Posted by レナ・ママ | 08:13:39, Mar 29, 2007
レナ・ママさん、おはようございます。
おっしゃるとおり非常に多くの動物が悪性腫瘍にかかっています。
それと向き合わなければならない飼い主さんたちのお気持ちも大変なものだと思います。
現在、僕ら町の獣医師に対しても技量以上の専門的知識が求められる時代になってきました。
専門分野化している人間のお医者さんたちと違い、僕らは皮膚科から整形外科、内科、腫瘍化と全てを診なければなりません。
到底、知識が追いつくはずはありません。
そんな中でも専門分野を持つ獣医師が少しずつ増えてきています。
僕の住む田舎ではまだまだ先のことでしょうが、たくさんの専門家たちが登場することを願います。
レナ・ママさんのワンコがうまくいきますように。
Posted by shu | 09:08:11, Mar 29, 2007
こんばんは。初めてコメさせていただきます。おじい様おばあ様の愛情には頭が下がります。ほんとうにこのわんこちゃんは幸せですね。
実家の飼い猫ちゃんが扁平上皮腫との診断が今日くだりいざというときにこのように接することが出来るか不安でなりません。手術するか、どうするかさえきめられないでいるのです。成功率や数年後の生存率など一般的なものを調べてもなかなかヒットしません。上あごが腫れ上がっていて毎日点滴に通っていますがもし、先生の飼い猫ちゃんならどうされますか?あくまで先生の私的なお考えで構わないのでお聞かせ願えないでしょうか?
最後にわんこちゃんがずっとずっとしあわせなまま眠れますように。
Posted by nocchi | 01:01:29, Jul 13, 2007
nocchiさん、はじめまして。
わんちゃんについてのお気遣いありがとうございます。
ご実家の猫ちゃん、ご心配ですね。
扁平上皮腫と書いてありますが、扁平上皮癌のことでしょうか。
猫の口腔内扁平上皮癌は残念ながら極めて悪いものです。
たくさんの研究報告があるし、またケースバイケースでもあるため、ここに書ききることはできませんが外科手術、放射線療法、抗癌剤療法などを単独で行った場合、生存期間の中央値はわずか2ヶ月です。
複数の治療を組み合わせるともう少し延びるようですが、いずれにしても1年も生きていられる猫は極めて稀ということになります。
ですが、手術によって完全に切除できて(上顎は難しいと思われます)、放射線療法などを組合すことができれば、数ヶ月は再発なく生きていけるかもしれません。
リンパ節への転移や、上顎の骨がどれくらい侵されているのかなどによって手術ができるかどうか違うと思います。

僕の猫ならばですが、難しいご質問です(汗)。
すでに僕ら獣医師は一般の飼い主さんとは病気や治療、予後などに対して持っている知識が違うし、その気になれば自分の病院の設備や薬品をフルに使うことができるため、あまり参考にならないかもしれません。
外見上、すでに上顎が腫れている扁平上皮癌を患った僕の猫なら・・、食事ができない状態ならば食道から胃にカテーテルを通します。
全身麻酔なので、その間にリンパ節への転移や腫瘍が切除できるかどうかなどを頑張って調べると思います。
完全切除が無理であるならば、緩和療法を行うと思います。
毎日数回流動食を与えます。
痛みがあれば鎮痛剤を与えます。
抗生剤も与えると思います。

しかし、実際に診ておられる先生が手術を勧めておられるのであれば、完全切除の可能性があるのかもしれません。
そちらの先生とよく相談なさってくださいね。
Posted by shu | 11:31:30, Jul 13, 2007
こんにちは
扁平上皮癌を検索していてたどり着きました。我が家の飼い犬も同じ病気です。
おじいさん、おばあさんの気持ちを思いつつ、このワンちゃんの話を読みました。

我が家の犬も外科手術を行いました。CTスキャンを見たところ担当DR.も腫瘍は小さく、鼻の方にも広がってないようなので、犬歯を含む歯4本とその根元の歯茎を取り除き、念のために上あごの骨の一部を削りました。
ところが、切断面に近いところに多少の浸透(この日本語が正しいか分かりません…在仏です)が見られるとの結果が出たため、本日放射線治療を開始しました。
本人、いたって元気(6歳半です)、食欲旺盛なので、外見上ガンを患っているようには見えません。

おじいさん、おばあさんのお話を読み、ガンであれ、老衰であれ、いずれはやってくるその日のことを考えるよいきっかけとなりました。また、他の記事からも多くのことを学べたように思います。これからも楽しみにしております。
Posted by らぶ | 07:35:11, Sep 13, 2007
らぶさん、はじめまして。
そうですか、ご心配ですね。
ですが、放射線治療を開始されたとのことで何よりだと思います。
本人が元気でいてくれるのが一番ですね。
専門用語では「浸潤・しんじゅん」という用語を使用します。
いろいろご心配は絶えないかもしれませんが、治療がうまくいくよう祈っていますね。
Posted by shu | 10:42:55, Sep 14, 2007


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