尿中にいろいろな成分が出てきて結晶となり、それが固まって石になったもの、それが膀胱内に存在すると膀胱結石です。
同じ成分の結石でも腎臓にあれば腎結石、尿管にあれば尿管結石ですよね。
先日手術したメスのワンちゃんは5才。
頻尿と赤色尿を主訴に来院されました。
尿検査をしても尿中に結晶はみつかりませんでした。
超音波で腹部を見ると何やら怪しげな物質が膀胱内に存在します。
次いでレントゲンを撮ってみてびっくりでした。
膀胱の中に大量に結石の陰影像が見えました。
ストルバイト(リン酸アンモニュウムマグネシュウム)の結石ならフードで溶かすこともできますが、尿検査で結晶も見えないし、何しろ膀胱が石で充満状態。
飼い主さんと相談して外科的に取り出すことにしました。
そして、取り出したのが写真の結石です。
一度にこれだけ溜まってたのも珍しいですねー。
いったいいつから溜まり始めたものやら・・・。
これを結石の化学分析に出して、何の結石かを調べます。
仮に尿検査で結晶が見えていても、その結晶と結石が同じものとは限りません。
多くの結石は処方食で再発を防ぐことも可能ですが、そうでないものもあります。
細菌感染も抑えなければなりません。
膀胱の粘膜は炎症と結石による物理的刺激のせいかすっかり肥厚してしまい、分厚くなっていました。
当分、膀胱炎の症状は続くでしょう。
もう少し早い来院が望ましかったですね。