この仕事をしていると、時々「生命力ってすごいな〜。」と感心することがあります。
写真のニャンコは生後3ヶ月くらいの子猫です。
半ノラとして生まれてからどこかの会社の倉庫に居候。
社員の方に餌を与えられながらすごしていました。
ある日、倉庫に積んであった重たい荷物がこの子の上に落下!
左の後足が地面と荷物の間に挟まれてしまいました。
驚くことに左後肢が膝の下付近でちぎれてしまったのです。
当然、かなりの出血があったと思われます。
そうとうの激痛もあったと思われます。
ばい菌の感染だって受けてたと思われます。
病院に連れてこられたのは怪我から約3週間後でした。
何故、そんなに長い間病院に連れてこられなかったのかは、今回は置いておきますね。
主題はこの子の生命力についてですから。
怪我の部分、すなわち足が骨ごとちぎれてしまった部分にはなんとか肉が盛り、出血も止まっており、多少腐敗臭はするものの肉の上にはカサフタができ、それ以上の感染から身を守っているのでした。
しかし、歩こうとするたびにカサフタが地面に擦れ、血が滲んでしまい、とても歩きにくい状態でした。
ですが、本人はとても人懐っこく、ごろごろ擦り寄ってくるくらい元気です。
連れてこられた方の話では食欲も十分に回復しているとのことでした。
問題はこの後、おそらく断脚を選択したほうがこの子には楽だろうということですが、飼い主さんもおらず、手術の費用もなく、何しろ将来がまったくわからないという状態でした。
とりあえず、会社へ連れて帰られましたが、その後来院もなく、どうなったのか・・・。
すると一人のスタッフが「どうにもあの子が気になって我慢できません。私が自分で飼ってやりたいけれど、かまいませんか?」と聞いてくるではありませんか!
「いや、そりゃもう、かまうもかまわないも、飼ってあげなさいな♪」と(笑)。
ラッキーなことに、4月からうちで働いているそのスタッフの家には現在ネコがおらず、機会があったらノラちゃんでも飼おうと思っていたそうです。
そして、先日、スタッフからの申し出を受け、世話をしておられる方が病院にお菓子と一緒に連れてこられ、現在、隔離して居候中です(笑)。
遊んで欲しくてじゃれ付いてきますが、怪我してる足が地面に着くと痛みとバランスの崩れのせいで転がってしまい、うまく遊ぶことができません。
近いうちにスタッフの家に帰ります。
年が明けて、現在多少ある貧血が改善されたころ、うまく断脚して今後の生活を楽にしてあげる予定です。
それにしてもよく生きていたものですよね。