昨日のお話し。
6才前のメスワンコ。
昨日は避妊手術のご予約が入っていました。
午前中、予定通りに来院されました。
「元気や食欲はありますね?今朝は絶食・絶水されましたね?」と聞くと・・。
「それが、5日ほど前から食べなくなって、元気もなくなって・・・。」とのこと。
避妊手術はあくまでも健康なときに行う手術ですから、当然、手術は延期。
それよりもどうして食欲・元気がなくなったかを調べなければ。
いろいろ質問していくと、1ヶ月くらい前に発情があったそうです。
最近、急に水をたくさん飲むようになったとも・・・。
分娩経験のない、6才のメス犬。
となると、まっさきに頭に浮かぶのが子宮蓄膿症。
いままで、さんざん日記にしていますが、とりあえず超音波をお腹に当てると、水分のたまった丸い形が下腹部にぼこぼこと見られました。
血液検査でも白血球(白血球の中でも好中球というばい菌をやっつけてくれる兵隊さんみたいな細胞)が増加、CRP(C反応性蛋白:Cというのは炎症のこと)が測定不能値まで増加。
貧血、血小板減少もありました。
すぐに点滴をし、しばらくICUで酸素を吸わせ、午後から手術になりました。
小さなときに交通事故に遭い、手先の皮膚が剥けてしまい、指も数本骨折した子でした。
それ以来飼い主さんにとてもかわいがられていました。
今回も、飼い主さんは心配で心配で・・・。
今朝はほとんど元気を取り戻し、フードも少しずつ食べています。
普通の避妊手術のつもりで来院されたのに、子宮と卵巣を摘出するということ自体は同じですが、リスクは大きく違います。
いずれにしても早く完全復活して欲しいですね。