昨日連れてこられた犬。
「機嫌が悪いときはわしらも触れんのですよ。」とお父さん。
連れてこられた犬は自力で座ることもできず、頭が上下にがくがく痙攣していた。
手足も硬直していた。
体温は体温計で計測不可(33℃以下)。
朝、見たらこうなっていたという。
何か腑に落ちないものを感じながら、預かって点滴し体を温める。
数時間後、多少回復したのでフードを与えてみると、がつがつ食べ、そのあとすべて吐いてしまった。
しかし、吐いたものはさきほど食べたドッグフードと、カレーライスだった。
玉ねぎや人参、お米もそのまま未消化で出てきていた。
問診票には与えているフードの欄に「飯、汁」と書いてある。
一晩たって元気が出てきたが、今度は僕らにも噛み付いてくるため、世話や治療がたいへんになった。
だけど、僕らの手にだけ噛み付いてくる。
ガラス越しに顔を近づけてもあまり怒らないけれど、手を近づけるとものすごい形相で噛み付いてくる。
これは、恐怖による噛み付き行動のようだ。
おそらく何度も手で叩かれてきたようだ。
散歩に連れて歩くとわりと喜んで歩くが、なでようとしたりフードを与えようとするととたんに形相が変わる。
抱きかかえてケージに戻すのも一苦労だ。
しつけと虐待。
もしかしたら飼い主さんは虐待のつもりではないのかも。
だって、ちゃんと病院へ連れてきたのだから。
難しいなあ・・・。