ずっと前の話。
急性腎不全で頑張って治療したけれど助からなかったワンコがいた。
何かの原因で急に腎臓の機能が低下してしまい、最終的にはおしっこを作ることができなくなってしまう。
おしっこを作らせるために、いろいろな薬をつかって頑張ってみたのだが、飼い主さんの期待に応えられず結局亡くなってしまった。
飼い主さんはペット霊園へ連れて行き、火葬してもらわれた。
火葬のあと、いつもは来られないお父さんが病院に来られた。
怒鳴ったりではないが、皮肉たっぷりに嫌味を言われたことがある。
「先生のところで腎不全と言われ、お金もかけて治療してもらいましたが助からなかった。まあ、生き物だから仕方ないでしょう。だけど、今日、火葬してもらったら霊園の人があの子の遺灰を見せてくれまして、『ああ、この子は脳が焼け残ってますから、脳の病気だったんですね。悪いところが焼けにくいのです。』とおっしゃいました。腎臓が悪いのではなかったみたいですね。誤診かどうか、私は追及するつもりはありませんが、今後、こういうことが無いようにして欲しいものです。」と言われた。
「そうですか・・・。」としか答えなかったのだけど、困った話である。
霊園の人も決して悪気があって言われたのではなく、「脳が悪かったのだから助からなくても仕方なかったんですよ。」というつもりで飼い主さんを慰めようとされたのだとは思うけど・・・。