口臭がするという猫が来院。
オス猫で自由外出。
ところが最近口臭がひどく、いつもよだれを流している。
外出もしたがらなくなり、元気がないとのこと。
診察台に乗せると、あっという間に黒いぶつぶつが落ちてきた。
ご存知の方も多いとは思うけど・・・。
ティッシュに集めて水で濡らすと・・・。
赤茶色にじわっと色がつく。
そう、ノミの糞である。
この猫くんは大量のノミに血を吸われ、PCV(Ht)が16%まで下がっていた。
通常の猫たちは32〜45%くらいなので、赤血球の量が1/2以下になってしまってる。
飼い主さんはホームセンターに売っているノミ取りの薬を使っておられたのだが、はっきり言って、あれらは効かない。
お金の無駄なので、多少高くても動物病院で扱っているものを使ったほうがいい。
貧血の時に、骨髄が頑張って新しい赤血球を作っているかどうか調べてみる。
網状赤血球という若い赤血球がたくさん見つかった。
つまり、この猫くんの貧血は原因さえストップしてあげれば、いずれ赤血球は増えてくれるということ。
再生可能な貧血ということである。
ただ、しょっちゅう外出して喧嘩していたらしいこの猫くん、エイズに感染していた。
口内炎は猫たちによく見られる病気だけど、エイズや白血病に関連しておこることが多い。
ほかの猫に感染するし、どこかで子供を作っているだろうから、飼い主さんにはどうか外出させないでとお願いしておいた。
今年は気候のせいだろうか、例年になくノミが多かった。