病院の診察時間も終わりに近づいたときに、駆け込んでこられた人がいた。
「車にはねられて!」
持っておられる箱の中には黒いきれいなオス猫がぐったりと横たわっている。
すでに呼吸も止まり、心臓も動いていない。
人工呼吸や心臓を動かす薬、心臓マッサージなどを試みてみるが5分、10分たっても心電図は何の反応も見せない。
頭の中では「もうすでに亡くなっている。蘇生はしないんだろう。」と、思うのだが、そばで涙を溜めてじっと見ておられる飼い主さんに、いつ「もうだめです。」と言えばいいのか、何度同じ場面にあたっても悩んでしまう。
そして、決心して言う。
「残念ですが、お力になれませんでした。」と。
このブログを始めてからすでに何匹の猫が交通事故で亡くなったんだろう。
ここに書いていない子もいる。
外に出しさえしなければ・・・、交通事故には遭わないのに。
今日の子も去勢していないオスだった。
今日はハムスターの断脚をして、犬の帝王切開をして、猫の去勢をして、大忙しだったけど、それなりに充実した一日だった。
そしてこれから、近隣の獣医さんたちとの勉強会に出かける。
やりがいのある一日だったけど、最後に悲しかったな・・・。