JKC(ジャパン・ケンネル・クラブ)の登録犬種数を見ると、現在ミニチュア・ダックス・フンドがその他の犬種を大きく引き離していることがわかる。
現在日本で飼育されている、雑種のワンコたちを除くと圧倒的にミニチュア・ダックスが多いということである。
数が増え始めてから数年が経過し、子犬だったダックスたちもそろそろ中高年期へさしかかる。
そこで、気になってくるのが、体重なのだ。
ダックスは見てのとおり、胴が長くその端っこの方に足がついている。
橋に例えると、橋脚と橋脚の間が遠すぎる。
撓みやすくなっている。
そこで、体重が増えすぎてしまうと、常に重みがかかり背骨に負担がかかることになる。
若いころならば背骨の左右を走る筋肉が少々の重みをカバーしてくれるだろう。
ちょっと年を取ると、なかなかそういうわけにはいかない。
診察室や公園などでダックスの飼い主さんとお話をしているときなど、愛情を持ってダックスの背中をなでたり叩いたりしてしておられる光景を時々眼にするが、これも実は良くない。
なるべく背中には負荷をかけないほうがよい。
以前、椎間板ヘルニアを疑うミニチュア・ダックスの飼い主さんに「気をつけないと下半身不随になりますよ。」と言ったところ、「私も長年椎間板ヘルニアだけど、そんな大げさな!」と言われた。
ヒトで椎間板ヘルニアが起こりやすい部分は、脊髄がすでに馬尾神経と言って細いものに変わっているところで起こりやすいそうだ。
ワンコたちの場合は十分に太い脊髄の部分でヘルニアが起こるため、症状はより重い。
特に、突出してきたヘルニアの圧力が強力だった場合、脊髄内の出血による脊髄軟化症という状態に陥り、1週間くらいで死亡することすらある。
ミニチュア・ダックスの飼い主さんたち、ワンコの体重には要注意ですよ。