あらら、写真を撮るのを忘れていましたが。
回虫卵、変な名前だけど、比較的よく見る寄生虫の卵です。
回虫って聞いたことのある方も多いでしょうね。
初めてのワクチンとか、初めての健康診断の時に見つかることが多いです。
胎児の時に母犬の胎盤から血液を通して感染することもあります。
多くは経乳感染といって、母犬のお乳を飲んでいる時に口から入ってきます。
または糞の中の子虫を宿した卵が口から入ってくることもあります。
口から入った子虫は胃に入り、小腸のリンパ管から消化管を脱出して肺や気管、肝臓、心臓など他の組織に入って行きます。
気管から食道に戻ってきて、再び胃、小腸へと戻って来れた虫だけが大人になって卵を産みます。
その卵が糞の中に出てきます。
ただし、卵は新鮮なうちは感染能力を持ちません。
数日すると卵の中に子虫が生まれます。
それを口にすることで感染してしまいます。
古いウンチには要注意です。
動物は自分のおしりなどを舐めますから、かわいい子犬などにペロペロと口の周りを舐めさせるのはほんとは危ないですね。
幼児など、人間にもうつります。
人間の体は犬とは違うため、人間にうつった回虫の幼虫は体内で道に迷ってしまいます。
眼球の中に出てきたり、他の臓器に迷入することが知られています。
ですから、小さいお子さんなどは気をつけてあげなければなりません。
もちろん、過剰に怖がる必要はなく、ちゃんと手洗いをしたり、キスをさせないようにすれば大丈夫です。
数年前でしたか、都会の公園の砂場に犬や猫を入れないようにしようとする運動がありましたね。
それが回虫対策でした。
やっかいなのは成犬です。
先に書いたように他の臓器や血液中に子虫のままで生存するため、検便でも見つかりません。
そのくせ、妊娠すると子犬にどんどんうつしてしまいます。
フィラリアの予防薬で回虫の駆虫もできるものもありますが、あくまで、「消化管内にいる回虫」に限ります。
成犬の他の場所にいる回虫は駆虫できません。
ですから子犬のうちに駆虫することが大切ですね。
ニャンコもほとんど同じですが、確か胎盤感染はなかったはずです。
ニャンコはグルーミングをするため、自分の糞中を自分で口にする可能性が犬よりも高いと言われています。