今日もいろいろありました。
毎日多すぎて書ききれませんが、今日は玉ねぎ中毒について。
7才のシーズー、オスのレオくん。以前から時々尿結石で赤いおしっこをしていた。
写真は血液です。
今回も飼い主さんは「先生、またおしっこが赤くなりました〜。」と、いつものようににこやかに、おしっこと一緒に連れてこられた。
ところがおしっこの検査をしてみると、血液はほとんど出ていない。
ビリルビンという黄色い色を出すものが多量に出ていた。
そして血液を採って遠心分離してみると、写真のように血漿が黄色い。
右側のは普通の犬の血漿の色(ちょっと白っぽいからコレステロールが高いかな)。
そして、貧血があった。
犯人は玉ねぎだった。
3,4日前に玉ねぎを盗み食いしたそうだ。
玉ねぎ中毒にはかなり個体差があって、少しくらい食べても平気なワンちゃんもいるが、少量でもこのように貧血をおこす子もいる。
「うちの子は平気だから、少しくらいは大丈夫だよ。」という言葉には注意して。
ネコたちにも与えてはいけないが、基本的にネコたちは玉ねぎを食べない。
ただし、血液を溶かす成分は加熱しても分解されないから、玉ねぎ、ねぎ、にんにくなどの入った料理や汁類はだめである。
ハンバーグとか、すき焼きの汁とか、餃子なんかも危ないかな。
玉ねぎの成分のために赤血球が破壊されたり変性させられたりして、結果的に貧血が始まるのだけど、ここで終わりじゃないのが玉ねぎ中毒のいやなところ。
軽症だとそのまま回復する。
重症だと、溶けた赤血球のヘモグロビンという物質が腎臓に詰まって急性腎不全を起こしたり、肝臓の代謝に負担をかけたりして、死に至ることすらある。
玉ねぎをなめてはいけないのだ。